【集まれ!参院会館前】3/28 大軍拡予算採決強行にNO!緊急座り込み&平野啓一郎さんのメッセージ |




静かに成立させるのは主権者の恥です。万難を排して、ご参加、ご取材をお願いします。後半の平野啓一郎さんのメッセージもぜひご一読ください。
◆大好評につき在庫が減ってきました。ぜひご注文ください!
【最新パンフ】<新たな「安保3文書」にもとづく2023年度大軍拡予算案を批判する!>発売中!
https://kosugihara.exblog.jp/241747158/
------------------------------
<緊急行動 集まれ!参議院会館前>
戦争準備の大軍拡予算採決強行にNO!
あたらしい戦前にさせないための座り込み
武器ローン代も含め10兆円を超える大軍拡予算を含む今年度予算案が、明日28日に参議院予算委員会と本会議で採決され、成立が強行されようとしています。最後まで私たちの反対の意思を示したく、緊急の行動を呼びかけます。可能な時間帯で構いませんので、ぜひご参加ください。
日時:3月28日(火)12時~15時30分
場所:参議院議員会館前(永田町駅1番出口)
※プラカードなど持参歓迎。可能な方は椅子をご持参ください。
<呼びかけ>
ふぇみん婦人民主クラブ TEL 03-3402-3244
STOP大軍拡アクション TEL 090-6185-4407
STOP改憲・北区の会 TEL 090-1266-8645
--------------------------------------------
<参考>
※ご報告が大幅に遅くなりましたが、「ミサイルではなく暮らしを! 大軍拡予算組み替えを求める3.3院内集会」(主催:STOP大軍拡アクション、協力:平和を求め軍拡を許さない女たちの会)で読み上げ、ご紹介した平野啓一郎さん(作家)のメッセージです。
https://kosugihara.exblog.jp/241744354/
↓ ↓ ↓
憲法の平和主義の原則堅持を求める。
政府は昨年末、所謂「安保3文書」によって、防衛費を5年間で総額43兆円まで激増させ、憲法の専守防衛の基本原則に反する敵基地攻撃能力の保有を閣議決定した。首相自らが、戦後の安保政策の大転換と主張しているが、にも拘わらず、安倍政権以来の国会軽視は相変わらずで、立憲主義、国民主権は深刻な危機に瀕している。各メディアが、この決定に至る防衛省内の検討会議の議事録を情報公開請求したが、これも例によって黒塗りだった。
首相は、昨年十二月十六日に、この安保3文書の閣議決定について記者会見を行ったが、それは、日本の国防に関して、日米安全保障条約に一切触れることなく、あたかも完全な自主防衛路線に舵を切ったかのような、極めて欺瞞的な内容だった。
賛否はあるにせよ、日本の安全保障政策は、日米安保条約に基づき、従来は専守防衛の日本が「盾」であり、他国への攻撃はアメリカが「矛」として担うとされてきた。在日米軍基地の存在を許容する唯一の理由がこれであったはずである。
ところが、安倍政権以来、この前提は覆され、アメリカは日本に「矛」の役割まで要求するようになっている。実質的な改憲であり、従って違憲である集団的自衛権の行使容認の閣議決定から、今回の安保3文書に至るまで、日本政府が行ってきたことは、中国に対して軍事的に優位に立とうとするアメリカの戦略への完全な従属である。
もし日本に中国からミサイルが飛んでくるとするならば、台湾問題以外になく、標的は在日米軍基地である。更に日本が参戦すれば、それを理由に攻撃を受けることとなり、戦争は泥沼化する。一度戦争となれば、それを終わらせることがどれほど困難かは、ロシア・ウクライナ戦争然り、火を見るよりも明らかである。
他方、北朝鮮の核保有・ミサイル開発にせよ、それこそは、体制転覆のためには軍事介入も辞さないアメリカの脅威に対する防衛戦略であり、決して賛同は出来ないが、完全な安全保障のジレンマに陥っている。こうなると、日本にとって、日米安保条約とは一体何なのか? そのリスクとメリットについての真面目な議論が一切ない。
十二月の記者会見で、首相は確かに、「外交的努力」の重要性を述べた。しかし、聞き捨てならないのは、その直後に、「外交には裏づけとなる防衛力が必要」とし、「防衛力の強化は外交に於ける説得力に繋がる」と訴えている点である。この恐るべき短絡が、現政権の外交観である。外交には言うまでもなく、国際法・国際関係・経済・文化・歴史的背景、人的交流、……と様々な要素が備わっている。その多様な要素が生かされれば生かされるほど、平和的共存のために一般市民の参加の余地が開かれてゆく。しかし、軍事一辺倒となると、戦争のリスクは政権に極端に集中する。
この十年来の日本ほど、周辺諸国と関係を悪化させ、それを修復できない国も珍しいが、その外交の失敗を、言うに事欠いて防衛力による「裏づけ」の欠如のせいにするとは、言語道断である。政治家としての資質が問われるが、このような理屈を、外務省の官僚は本当に納得しているのであろうか?
そもそも、今回の防衛方針の転換によって、中国や北朝鮮といかなる外交が可能になるのか、具体的展望は一切ない。当然だろう。まず、中国に対し、日本一国の防衛力強化が十分な抑止力になるという根拠がない。従って、両国間の緊張こそ増すものの、この結果により、中国と建設的な外交交渉が始まるという見込みは何もない。戦力比較のみならず、日本は経済的にも中国に深く依存している。30%台の食糧自給率については既に報じられているが、戦争となれば、経済制裁を科しても科されても、先に干上がるのは、間違いなく日本である。
他方、日米同盟ありきの防衛費増額と言うならば、中国が、アメリカ政府の小さな支店のような日本政府と交渉する意味はない。つまり、日本は肝心の外交に於いて、リスクの分散を図る、独自の多極的な選択の可能性を著しく低下させているのである。
日本が経済的にも文化的にも重要な国であり続け、平和主義を貫き、周辺諸国と密接な利害関係を有しているならば、何故、戦争をする必要があるだろうか?
政府は、日本がこれまで「平和国家」、経済大国として得てきた安全保障上の利益を無視し、国内の経済政策に失敗し続けながら、ひたすら貧しい軍事大国への道を突き進んでいる。
対テロ戦争時、日本は国内でのテロを経験することなかったが、現役の防衛大臣が防衛装備移転三原則の見直しに言及し、貧すれば鈍する式に、政府与党が軍需産業振興に力を入れようとしている以上、将来、日本製の武器で大量の殺戮が行われ、結果として国内でもテロを招いてしまうリスクがある。日本は倫理的に、現実的に、本当にそのような国になって良いのか?
安倍政権以降、安全保障政策とは、専ら「味方」作りを意味し、結果、対立は煽られる一方だった。しかし、真の外交とは、利害関係が一致しない国とこそ交渉を重ねることである。アメリカとの完全な軍事的一体化に国防を託すなどというのは、政治的怠惰と無思慮の極みであり、そもそも国防でさえなく、日本の未来の可能性を押し潰す愚行である。
安倍政権時代の違憲の集団的自衛権行使容認にまで遡り、安保法制を見直し、ここに至った極端な安全保障政策を今こそ見直すべきである。
平和は外交によってしか実現され得ない。この事実を、文字通り、実行しなければならない。
平野啓一郎