【質問項目】大軍拡予算にNO!武器より暮らしを!2.21防衛省交渉 |


2022年2月14日
防衛大臣 岸 信夫 様
防衛省 防衛政策局長 増田 和夫 様
整備計画局長 土本 英樹 様
防衛予算についての質問
防衛予算の編成、執行状況等について、下記のとおり、質問するので、誠意を持って回答されたい。なお、それそれの回答は文書の形で持参されたい。
1)2021年度防衛予算について
1 2021年度概算要求にあったものの、2021年度防衛費に予算計上されず、2021年度補正予算において計上され予算化をみた項目、並びにその金額を明らかにされたい。
2 概算要求段階で要求額の明示がない「事項要求」項目のうち、2021年度に予算化された事項、並びにその金額を明らかにされたい。
3 財政法第29条では、補正予算は、「予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」とされている。2021年度補正予算について、項目ごとに「予算編成後に生じた事由」また「特に緊要となった」根拠を説明されたい。
4 諸外国においては「軍人恩給」給付額を加え予算編成するのが常識である。防衛予算の全体像を示すには、2021年度自衛官の共済年金給付等の支出も加えるべきだと考えるが、貴省の見解をお伺いしたい。また、2021年度の共済年金給付額を明らかにされたい。
5 2021年度予算における「新規後年度負担」の執行状況、及び2021年度末までの執行見込み額を明らかにされたい。
6 上記1、2、4、5を含む2021年度防衛費の総額を明らかにされたい。
2)2022年度予算について
<予算編成全般に関して>
1 2022年度概算要求の段階で予算要求額の明示がない「事項要求」のうち、本予算案に計上した事項、並びにその予算額を明らかにされたい。
2 2022年度自衛官の共済年金の給付等に係る予算額を明らかにされたい。
3 「後年度負担」に上積みされる「新規後年度負担」は、2020年度過去最高となるとともに、その積算額が本予算を上回った。積算額の全容を、項目ごとに金額も含め、明らかにされたい。
4 上記1、2、3を合算した2022年度防衛費の総額を明らかにされたい。
5 「後年度負担」に大きく依存する予算執行が顕著になっているが、このような調達を継続していくのか。精査、見直し、改善等を検討しているのか、貴省の見解を示されたい。
6 貴省は、「当初予算」で確保できなかった予算を「同一会計年度の補正予算」で確保するという手法を久しく継続しているが、こうした予算編成手法を将来にわたって続けるつもりなのか、見解を示されたい。
7 2022年度防衛費の予算案で、「デジタル庁」との関連で予算化した項目を明らかにされたい。
8 防衛費の対GDP比等について、貴省の考える適正規模、指標等あれば、説明されたい。
<「従来領域」に関して>
1 木更津基地の整備用格納庫の予算が68億円計上されている。木更津基地をオスプレイの「日米共通整備拠点」にする方針を決定したのか、貴省の説明を求める。
2 射程距離340kmのSM-6の購入費用として202億円が計上されている。運用実績がそれほどないと言われているSM-6を202億円も投じて購入する理由を明らかにされたい。
3 『世界の艦船』2022年1月号掲載の「海上自衛隊令和4年度業務計画案の概要」によれば、「5年国債で調達し、令和8年度に取得予定」となっている。これは事実か。事実であれば、「5年国債で調達」にした理由、「令和8年度に取得予定」とした理由を明らかにされたい。
4 機雷戦装備のフリゲート艦2隻に1103億円が計上されている。その必要性の根拠を説明されたい。
5 2021年度から22年度に「もがみ」型の1番艦から4番艦までが就役とされているが、配備予定の基地、就役に伴い除籍を予定している艦艇の艦種と艦名を明らかにされたい。
6 「いずも」「かが」の改修工事に3年で295億円が計上されている。改修に必要な総額(貴省の見込み額)を明らかにされたい。21年度予算に計上された203億円は、大半が「かが」の改修費と推測されるが、その契約金額を明らかにされたい。
7 「いずも」は2022年1月13日からジャパンマリンユナイテッド株式会社横浜事業所磯子工場に入っている。21年度予算での改修が行われているのであれば、その内容と契約金額を明らかにされたい。
8 F35A、同Bの取得費が盛り込まれている。取得後の配備先、訓練予定地、どのような運用を考えているのか等、説明されたい。
9 F15能力向上改修費用が2022年度予算案に復活・計上された。米国での改修費用が大幅に膨らみ、総経費が見込めないために2021年度は計上されなかったとも報じられている。復活・計上された理由、経緯と、総経費の見込みを明らかにされたい。
10 見直された改修では「JASSMの発射機能は付与されるものの、あくまで副次的な能力に留まる」との報道もある。JASSMの発射機能が、通常よりも制限される点があるのか明らかにされたい。
11 LRASMの代替としての12式地対艦誘導弾能力向上型(空発型)の開発費用総額、並びにF2に搭載するための改修費用の総額について、貴省の最終的な見込み額を明らかにされたい。
12 ノルウェー製の長距離巡航ミサイルJSMは3月半ばにも航空自衛隊に納入されると報じられていた。実際に納入されるのはいつ、どこの部隊で、基数はいくつになるのか。また、F35Aに搭載されると言われているが、実際に搭載され、実戦運用の態勢に入るのはいつか。
13 グローバルホーク運用部隊「偵察航空隊」(仮称)には毎年120億円の運用経費が必要と言われている。実際の経費はいくらになるのか。毎年多額の費用を要する同部隊に関する費用対効果について、貴省の見解を明らかにされたい。
14 次期戦闘機開発費用が膨らみ続けているが、開発費用の総額の見込み額を示されたい。また、IHIとロールスロイスが共同開発するエンジンの開発費用見込み額を明らかにされたい。
15 総合ミサイル防衛では、イージス・システム搭載艦に搭載するレーダーの洋上仕上げ変更や、PAC3-MSEミサイルの取得など、装備の仕様変更や更新に多額の費用が毎年投じられている。効率的かつ適正に防衛費を執行すべき貴省の見解を示されたい。
16 1月28日に貴省が公表した「合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護」について聞く。2021年は22回実施とあるが、費用支出の発生はあるか。あれば、19年、20年、21年の実績を明らかにされたい。
<「宇宙・サイバー・電磁波領域」と「研究開発費」に関して>
1 一度システムを構築すると、運用・維持・更新等に多額な費用が必要になると推測できるが、効率的かつ適正に防衛費を執行する上で、他項目への配分の圧迫等、問題が生じる可能性がある。貴省の見解を明らかにされたい。
2 宇宙状況監視(SSA)に多額の費用が計上されている。JAXAの概算要求も2125億円である。他省庁・関連機関合わせて、SSA予算の総額はいくらか。省庁名・機関名並びにその内訳を明らかにされたい。
3 「衛星コンステレーション」の調査研究に0.6億円、「衛星コンステレーションによる移動目標の追尾のためのAI技術に係る研究」に1億円が計上されている。「衛星コンステレーション」の運用段階に至るまでに、どれだけの費用を要すると見込んでいるのか。見込み総額を明らかにされたい。
4 「将来レールガンの研究」に65億円が計上されている。防衛省・自衛隊の現場からも「実用に堪えないオモチャだ」との批判が噴出とも報じられている。この研究を将来何年間くらいを目途に継続するのか、総額いくらと見込んでいるのか、明らかにされたい。
5 「サイバー関連部隊の体制拡充」に関連する項目の費用が計上されている。同部隊は最終的にどれほどの規模にするのか、どれだけの費用を見込んでいるのか、明らかにされたい。
<南西諸島(琉球弧)の自衛隊増強に関して>
1 南西諸島(琉球弧)の自衛隊増強が続いている。最終的にどれだけのどのような部隊をどこに配備するつもりなのか。全体計画が確定しているのであれば、関連資料を開示されたい。見込まれる費用も明らかにされたい。
2 陸上自衛隊がミサイル部隊を配備した奄美大島、宮古島、さらに配備予定の石垣島を含む約40ヵ所が米海兵隊の攻撃用軍事拠点の候補地になっていると報じられている(21年12月24日、共同通信)。候補予定地を開示するとともに、どこにどれだけの費用を投じるのか。見込み額を明らかにされたい。
3 空母艦載機の移駐等のための事業-馬毛島における滑走路、駐機場に係る施設整備等として、3,183億円が計上されている。馬毛島については現在、環境アセスメントの手続き中であり、その完了を待ち、アセスメントで指摘された事項を修正して、予算は編成されるべきものである。22年度予算に計上した理由を明らかにされたい。
4 2020年11月に貴省が作成し鹿児島県知事に提出した「ご説明資料」には、「いずも型護衛艦クラスの甲板及び艦橋を模擬した施設」とあるが、3,183億円にその費用が含まれているか。含まれている場合、その予算額を示されたい。
<「同盟強靭化予算」に関して>
1 いわゆる「思いやり予算」が「同盟強靭化予算」に名称変更され、かつ増額された。そもそも「同盟強靭化」には達成目標はあるのか。将来にわたって、総額いくら投じる見込みなのか。明らかにされたい。
2 新規項目「訓練資材調達費」でいう「訓練資材」とはいかなるものが該当し、それぞれにどれだけの費用を要するのか。明らかにされたい。