斎藤貴男さんのメッセージ |
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NHKは公共放送としての存在意義を放棄するつもりでもあるのでしょうか。
政治権力が推進する国策に従順でない人々を、取材もしないでっち上げを以て侮辱し、貶めて、世の中から排除される方向に持っていく。公共放送だというから擁することができている人員や機材、設備を、そんなことのために動員する…。いくら何でも酷すぎます。私は本日の抗議行動と記者会見に賛同すると同時に、NHKに対して、当該番組が名誉を棄損した当事者の方々への心からの謝罪と、徹底した再発防止策の策定、このような馬鹿げた放送を二度と繰り返さないとする宣言を求めます。
また、本件はBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会での審議ないし審理が必要だと思われます。私は二〇一三年度から一九年度までの二期六年間、同委員会の委員職にあった者ですが、すでに退任しており、議論に参加できないのが残念です。
本件はNHKだけの問題にとどまらない、民主主義におけるジャーナリズムのあり方を根底から覆してしまいかねない重大事です。もはや失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用を、わずかなりとも取り戻すためにも、BPOにはとことん調査していただき、適切な意見や勧告を公表してもらいたいと思います。
斎藤貴男(ジャーナリスト)