【報告】三菱重工はインドネシアへ護衛艦を輸出しないで!12.3東京本社申し入れ&アピール |
















JR東京駅に集合した参加者は、徒歩で、三菱重工東京本社や武器輸出コンサルタントも行うデロイトトーマツなどが入る丸の内二重橋ビル前に到着。
まずは、「インドネシアへ護衛艦を輸出しないでください」と題した要請書を提出。総務の担当者でなく警備員が受け取るひどい対応ながらも、しっかりと趣旨を伝え、泉澤清次取締役社長に届けるように要望しました。。
その後、新作の横断幕やプラカードを掲げて、社前で抗議アピールを開始。複数のメディアから取材も受けました。
木元茂夫さん(すべての基地にNOを!ファイト神奈川)は、
「三菱重工がインドネシアに輸出しようとしている"護衛艦"は、海外では"駆逐艦"や"フリゲート艦"と呼ばれる。スリムだが、機雷戦機能も持つ攻撃武器だ。自衛隊は22隻も建造しようとしており、琉球弧・沖縄への配備も危惧される。これが認められれば、なし崩し的になんでもありという方向に行く」と訴え。
小寺隆幸さん(軍学共同反対連絡会事務局長)は、
「ロシアや中国に続く形で、マッハ5以上の超音速で飛ぶ巡航ミサイル・滑空体を、日本も今、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や大学(岡山大、東海大)も一緒になって、防衛装備庁を中心に研究が進んでいる」
「今、最先端の日本の技術を使った新たな兵器を作る取り組みが始まっている。そういう中で今回の輸出が実現すれば、第二、第三の輸出を目指して軍事研究が強化されるのは明らかだ」と批判。
私は、「最新鋭の攻撃型武器である三菱重工製の多機能護衛艦のインドネシア輸出は、武器輸出を救難、輸送、警戒、監視、掃海などの抑制的な用途に限定した「運用指針」に違反している。政府は輸出でなく「共同生産」という詐欺的な手法で強行突破を狙っている」
「今回の武器輸出は、"中国包囲網"を強化し、緊張を高め、紛争を助長する。憲法9条を持つ日本は、米中対立の一方に肩入れするのでなく、心ある東南アジアの国々と共に緊張緩和と軍縮にこそ動くべきだ」と強調しました。
スピーチとともに、「三菱重工はインドネシアへの護衛艦輸出をやめろ!」「三菱重工は"死の商人"になるな!」などのコールを繰り返し響かせました。
この武器輸出は、日本経団連の全面的な後押しを受け、軍需商社「伊藤忠アビエーション」に事前調査を担わせる形で進行中です。ほとんど報じられないまま進む「死の商人国家」作りを消費者・市民の力で食い止めなければいけません。
三菱重工は「国策に協力するだけ」との無責任な姿勢を改め、インドネシアへの護衛艦輸出商戦からただちに撤退すべきです。
【注】「防衛装備移転三原則の運用指針」の「海外移転を認め得る案件」には「(エ)我が国との間で安全保障面での協力関係がある国に対する救難、輸送、警戒、監視及び掃海に係る協力に関する防衛装備の海外移転」と明記されており、戦闘艦である「護衛艦」は輸出できないはずです。「共同生産」と形式を替えても、武器輸出という実態に変わりはありません。
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/bouei3.pdf
◆12月3日の20時~22時には #三菱重工はインドネシアに護衛艦を輸出しないで のハッシュタグでのツイッターデモも行いました。今回のアクションをステップに、より多くの人々に事実を伝え、反対の世論を高めていきたいと思います。
◆遠藤大輔さんがわかりやすく動画にまとめてくださいました。ぜひご覧のうえ、広めてください!
20211203 護衛艦輸出に市民が抗議(約2分、BOTTOM UP! CHANNEL)
https://youtu.be/QGE3S-ybVJ8
◆望月衣塑子記者が記事と動画をアップ!
「インドネシアへの護衛艦輸出反対」 千代田区の三菱重工前で市民団体が抗議デモ<動画あり>
(12月3日、東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/146515
◆三菱重工に「インドネシアに護衛艦を輸出しないで」の声を届けてください!
東京本社(代表TEL)03-6275-6200
ご意見・ご要望フォーム https://bit.ly/3CJP93A
<以下は提出した要請書です>
【要請書】
三菱重工業株式会社 取締役社長
泉澤清次様
インドネシアへ護衛艦を輸出しないでください
頓挫したと見られた重大な武器輸出案件が、しぶとく生き残っていることが判明しました。インドネシアの現地メディアが、「8月末に金杉賢治駐インドネシア日本大使が防衛駐在官を伴いインドネシアのプラボウォ・スビアント国防相らと会談し、三菱重工業からフリゲート艦を取得するための契約プロセスについて議論が行われた」と報じていたのです。
今回、輸出が狙われているのは、三菱重工が基幹メーカーとなっている海上自衛隊の多機能護衛艦「30FFM」です。既に2020年9月下旬には、海上自衛隊幹部と三菱重工の担当者らがインドネシアを訪問していました。
30FFMは、2022年3月に1隻目の就役が予定されている最新鋭の護衛艦で、対潜戦、対空戦、対水上戦、対機雷戦(無人機を使った機雷除去も)などを行うことができます。「護衛」とは名ばかりの極めて戦闘能力の高い攻撃型武器です。
こうした攻撃型武器の輸出は、そもそも、日本政府自身が2014年4月に決めた防衛装備移転三原則の「運用指針」に違反しています。指針は、輸出する武器の用途を、救難、輸送、警戒、監視、掃海という抑制的なものに限定しているからです。
それにもかかわらず、政府・防衛装備庁は、防衛装備移転三原則で用途が限定されていない「共同生産」方式であれば可能だとして、輸出商戦に前のめりになっています。
なんと詐欺的な手法でしょうか。実態は武器輸出そのものです。そして、最新鋭の攻撃型武器を中国包囲網の一環として輸出するのは、紛争を助長する以外の何物でもありません。こんなまやかしが認められるなら、今後は戦闘機などの輸出も可能となり、日本は何でもありの「死の商人国家」へと堕落します。
この企てが、従来から一歩踏み込んだ態勢のもとで進められていることも重大です。日本経団連の全面的な後押しを受ける形で、防衛装備庁は、武器輸出促進のために、軍需商社に「事業実現可能性調査」を担わせることを決め、2020年9月に2社と契約を結びました。伊藤忠アビエーションがインドネシア、ベトナム、マレーシアを、丸紅エアロスペースがインドを担当しています。多くの人々が知らないまま、知らされないままに、「死の商人国家」が形作られることを許すわけにはいきません。
私たちは三菱重工に敵対するつもりはありません。「メイドインジャパンを平和産業の代名詞に」。武器輸出路線からの撤退は、御社のブランド価値を守ることだと確信しています。インドネシアへの護衛艦輸出や「12式地対艦誘導弾」の長射程化などの憲法9条違反から手を引いてください。血塗られた「死の商人」への道ではなく、再生可能エネルギー事業の拡大など、人々と地球の未来に貢献する道こそを選択してください。
2021年12月3日
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)