【紹介】宮古島からの連帯メッセージ |
【メッセージ】
南西諸島(琉球弧)での大軍事演習に反対する10・24集会とデモ行進に参加された皆さんへ
沖縄島と石垣島の間に位置する宮古島には、2019年3月陸上自衛隊警備部隊が軍用車両と共に380名配備され、2020年3月には地対艦・地対空ミサイル発射筒搭載車両などと共に長崎から第7高射特科群(対空)部隊が本部ごと、熊本からは対艦部隊がやって来ました。総勢約700~800名、家族を含めると2000名に及ぶとも言われています。
先の沖縄戦では、宮古島には1943年頃よりやって来た日本兵は人口5万の島に3万名駐屯し、制海権も制空権も奪われ、食料も医薬品もなくなり、「飢餓の島」となり果て、凄惨な戦争を体験しました。それから75年ぶりに侵入してきた兵器と軍隊。
昨今、戦争の「空気」が島民の日常生活を侵食して来ています。スーパーで買い物かごを下げている迷彩服。郵便局で手紙を出す戦闘服。74年間、島にいなかった「軍服の人間」が、島人の隣に立つ。ミサイル発射筒搭載車両と公道ですれ違う。見るのが怖くて歩く道を変えたと言う市民がいる。私たちの日常に棲み始めている戦争の「空気」。
陸自10万人の大移動と過去最大規模の軍事演習が米軍と共に、この10月~11月沖縄周辺で行われています。戦争のリハーサルをしています。
インド洋や南シナ海、台湾海峡で、欧米多国が「面的」な訓練を展開、国内では有事の軍備輸送の日本縦断の「線的」な訓練をこれまでない規模で行っているとき、私たちの暮らす宮古島や琉球弧の島々は、まさに吹けば飛ぶような「点」に過ぎないことを実感しています。
経済的な互恵関係の中で、米中や日中の全面戦争など起こらないと語る方々もいますが、着々と進められる「戦争準備」を私たちは日々、否応なく目撃しています。
私たちはもしかしたら、守られる「国家」「国土」「国民」の枠組みの外、埒外にあるのかもしれない、沖縄は、これまでも何度も打ち棄てられてきましたが、今、南に弧を描く離島の島々の私たちは、もうすでに棄てられているのではないのか?と逡巡するのです。
沖縄差別、離島差別の重層的な差別構造の中で、伝えない全国メディアはもちろん、沖縄県内のメディアでさえ、事態の重要性を取り上げません。
私たちは2019年3月4日、74年ぶりに陸揚げされる軍用車両を早朝から8時間立ちはだかって実力で止めました。2020年3月21日、ミサイル部隊配備に抗議して基地正門ゲートを封鎖させました。2021年6月2日、海運労働者の運搬拒否声明により海路が叶わず、防衛省がヘリで空輸した弾薬の輸送を輸送トラックの前に座り込み、寝転がり、制服警官に排除されるまで阻止行動を行いました。10月1日には、基地内の公道付近で市民に見えるような銃を携行した訓練に抗議し、止めさせました。
私たちは島内で定例的にスーパーの前に立ち市民に訴え、千代田基地の正門ゲート前に立ち自衛隊員に訴えています。しかし、小さな離島の声はなかなか海を越えて届きません。
そして、声を聴くだけでは変えることはできません。不条理な国策に実力で行動することでしか、戦争に向かう状況を変えることはできないと私は思っています。
ミサイル弾頭・弾薬の搬入がいつ再開されるかもしれない緊張の中に宮古島はいます。
この大演習、戦争リハーサルを全国各地で止める行動をみなさんが起こすことを願っています。
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 清水早子