「国産ミサイル 長射程化」という毎日記事の問題点

1月26日の毎日夕刊1面に「国産ミサイル 長射程化」「ポストINF条約時代 視野」との大きな記事（青木純記者）。「敵基地攻撃」に転用できる「12式地対艦誘導弾」の射程の大幅延伸の背景と狙いを詳しく解説していますが、憲法の「け」の字も、専守防衛の「せ」の字もなく、導入が前提になっています。出てくるコメントも政府・与党関係者のものばかり。

政府の狙いとして、国産の長射程ミサイルを開発しておけば、米軍の中距離ミサイルの日本配備を断るためのカードになり得るという点を挙げていますが、そういう問題でしょうか。どちらも要りません。

最後は「射程が伸びた12式が日本の外交・防衛にどのような影響を及ぼすのか、注目が高まっていくことになりそうだ」と他人事のようです。

はっきりと「導入するな」と書くべきです。読売や産経ならともかく、毎日がこの論調とは。これでは、政府広報に近いと言わざるを得ません。猛省を促したいと思います。

国産ミサイル、長射程化　ポストINF条約時代も視野　米中距離の日本配備を回避（1月26日、毎日夕刊）
https://mainichi.jp/articles/20210126/dde/001/010/040000c