【寄稿】三菱電機によるフィリピンへの防空レーダー輸出に抗議しよう! |
http://no-military-research.jp/wp1/wp-content/uploads/2020/07/NewsLetter_No46.pdf
3月31日に取り組んだアクションの報告に、最新の情報を加筆しました。ぜひご一読ください!
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三菱電機によるフィリピンへの防空レーダー輸出に抗議しよう!
杉原浩司(武器取引反対ネットワーク[NAJAT]代表)
この3月、三菱電機がフィリピンへの防空レーダー輸出商戦で落札した。固定式と移動式の計4基で金額は100億円規模。2014年4月1日の武器輸出解禁から6年、日本として初の完成品輸出となる。新型コロナの影響で手続きが遅れているが、フィリピン側がサインすれば、7月中にも正式契約が締結されるという。
安倍政権は今までフィリピンに、大型巡視船の供与、海上自衛隊の中古練習機TC90や陸自の多用途ヘリ部品の無償譲渡(TC90は初期は有償貸与)を行い、軍事的な関与を強めてきた。今回の武器輸出はその延長戦上にある。
フィリピンは防空レーダーを、中国軍機の飛行ルートになっているバシー海峡を監視できるルソン島北部に配備すると言われている。日本政府は、同じく飛行ルートである宮古海峡の情報と、フィリピンが得た情報とを共有し合うことを検討している(7月12日、産経)。
つまり今回の輸出は、米国主導の中国包囲網作りの一端を担う、事実上の紛争加担であり、かつて武器輸出三原則が掲げていた「紛争を助長しない」という理念に真っ向から反するものだ。
三菱電機は、日本も大量購入(147機、総経費6.7兆円)しようとしているF35戦闘機などへの搭載が想定される戦闘機用ミサイルの日英共同開発にも参加するなど、国内軍需企業では武器輸出の面で突出している。上司のパワハラによる社員の自死(2019年8月など)や過労死隠ぺい工作の発覚などにより「ブラック企業大賞」を2年連続受賞してきた三菱電機の暴力的な体質が、外にも向けられていることが改めて鮮明になった。
『世界』6月号(岩波書店)の「非常事態下のマニラから」と題したマリア・レッサ(ジャーナリスト)のインタビューによれば、権力を濫用し、適切なコロナ対策を行わないドゥテルテ大統領に、50万人超が「#OustDuterte(ドゥテルテを追い出せ)」と怒りのツイートをしたという。7月3日には、政権批判や人権擁護活動を弾圧する「反テロ法」の制定が強行された。フィリピンへの武器輸出は人権侵害を容認するシグナルにもなってしまう。
さる3月31日、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の呼びかけで、「三菱電機はフィリピンへの防空レーダー輸出をやめろ!本社前アピール&申し入れ」を行った。参加者は4人と少数精鋭ながらも、東京駅丸の内南口そばの三菱電機が入るビルの前で、横断幕やエアコン・電池・炊飯器などの三菱電機製品の不買を呼びかけるプラカードを掲げてアピール。その後、要請書を読み上げ、総務課担当者にしっかりと手渡した。
歴史に汚点を刻む武器輸出であるにもかかわらず、コロナ禍で報道は少なく、事実が市民に知られていない。この問題を広く伝え、製品の不買運動も含めて、三菱電機への抗議を強める必要がある。今回の完成品輸出の「実績」を最初で最後のものにしなければならない。
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<あなたにできること>
・「"死の商人"にならないで」「武器輸出を辞退して」の声を三菱電機に届けてください!
・三菱電機製品の不買をSNSなどで宣言して、実行してください!
◆三菱電機に抗議を!
[TEL]03-3218-2111(代表)
◆ # 三菱電機不買 でツイートを!
◆不買で抗議を!
【不買できる製品の例】
・液晶テレビ「REAL」
・冷蔵庫「MXシリーズ」
・アルカリ乾電池「EX」
・掃除機「風神」
・炊飯器「本炭釜KAMADO」
・エアコン「霧ヶ峰」