【名古屋からの要請書】JSMの輸入を中止するよう求める申し入れ |
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JSMの輸入を中止するよう求める申し入れ
伊藤忠アビエーション株式会社社長 笠川信之様
2020年3月9日
私たちは戦争や紛争のない平和な社会を作ることを目指す市民団体です。貴社に対して以下のように申し入れをします。ご検討をよろしくお願いします。
2020年度防衛予算にノルウェー・コングスベルク社製の長距離巡航ミサイル「JSM」購入費136億円が組み込まれており、その輸入代理店は貴社・伊藤忠アビエーションであると報道されています。私たちはこのJSMの輸入をやめるよう貴社に求めます。JSMは射程500㎞とされています。政府は「敵の射程外から攻撃するため」と保有を正当化していますが、私たちは、敵基地攻撃兵器に他ならないと考えています。従来の政府見解に基づく専守防衛とは他国から攻撃されて初めて、自衛のための防衛力を行使する、というものでした。そのため航空母艦などは保有できないとされていました。今予算では護衛艦を事実上の空母化しようとしています。それとあいまっての長距離ミサイルの保有です。この間、安倍政権は既成事実の積み重ねにより安保政策の基本をゆがめようとしてきました。JSMの保有は憲法違反と言わざるを得ないと考えます。
世界で戦争、紛争が絶えないなか、世界の市民社会は今、軍事企業に厳しい目をむけています。地雷やクラスター爆弾の製造を禁止し、核兵器製造に関わる企業には銀行が融資しないなどを決定しています。紛争国や「国際的な人道法違反」を侵している国への武器輸出を禁止しようとの動きもあります。そして、核兵器禁止条約にみられるように、抑止力という考え方も改めようという動きになっています。「武力による威嚇または武力行使」は憲法9条でも禁止されています。その意味では、社長の言われる「攻撃は最善の防御なり」は軍事に限れば憲法違反です。JSMの導入は憲法違反です。
伊藤忠商事グループのCSRの考え方は「企業も社会の一員であり、良き企業市民として社会と共生し、事業活動を通じて社会の期待に応えていかなければ、その持続可能性を保つことができない」とうたわれています。私たちはこのような貴社のお考えに賛同いたします。それに従えば、憲法違反と指摘されているJSMの輸入にたいしては、政府のみならず、貴社の社会にたいする説明責任も発生します。社会保障費が削減され続けているのに、防衛費は増え続け、5兆円を超えています。異常です。また、コロナウィルス感染拡大の背景として感染症などの研究経費などが毎年削減されていることなどが指摘されています。国の予算のこととはいえ、「防衛企業」としての貴社にたいするまなざしは厳しいものになります。企業利益だけではなく、平和な社会の実現のための事業活動を展開してください。戦争、紛争をなくするという世界そして日本の市民社会の努力に応えてください。
以下、申し入れします。
1、JSMの輸入を中止してください。
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