これでいいのか!? 大軍拡予算案 2.18防衛省交渉へ |
武器の爆買いや開発により、「専守防衛」の制約を取り払い攻撃型の軍隊へと変貌する自衛隊。軍事費の膨脹の一方で、暮らしに関わる予算の切り詰めが続いています。
防衛省交渉を行い、2020年度の防衛予算案の数々の問題点に斬り込みます。ぜひご参加ください!
宇宙・サイバー・電磁波の新領域に重点 過去最高5.3兆円 防衛省(12月20日、SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/191220/mca1912201331031-n1.htm
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★これでいいのか!? 大軍拡予算案 2.18防衛省交渉
2月18日(火)14時~15時30分 ※13時30分よりロビーにて通行証を配布します。
参議院議員会館B104会議室(永田町駅)
主催:武器より暮らしを!市民ネット
2020年度予算案の審議が始まっています。防衛費には過去最高を更新する5兆3133億円を計上。米国に有利な「FMS」(有償軍事援助)による高額武器の爆買いも4713億円に達しています。加えて、9割を武器ローン返済費が占める第二次補正予算の防衛費分4287億円も過去最高です。宇宙・サイバー・電磁波という新領域への手厚い配分も含めて、「聖域なき大軍拡」が着実に進展しています。
閣議決定による空手形の乱発に象徴されるように、安倍政権による国会のスルーと民意の無視は留まるところを知りません。非正規化する労働と格差社会に苦しむ市民の生活を、政府は痛みとして捉えていません。
税金を戦争準備に注ぎ込む一方で、社会保障や教育など命と暮らしを軽視する政府に主権を委ねてはなりません。予算の理にかなった配分を求めて声を上げる時です。「専守防衛」の逸脱、「未解決の欠陥」を抱える製品、言い値での購入、軍拡競争の促進など、問題だらけの大軍拡予算案を徹底追及します。ぜひご参加ください。
【武器より暮らしを!市民ネット】
<呼びかけ団体>
・武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
・大軍拡と基地強化にNO!アクション2019
・防衛費増大より教育を受ける権利と生存権の保障に公的支出を求める専門家の会(社会権の会)
<連絡先>
090-6185-4407(杉原)
メール buki_yori_kurashi@freeml.com
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【防衛省交渉の質問項目】
1.2020年度防衛費は、8年連続の増加、6年連続で過去最大の予算となった。貴職は、朝鮮民主主義人民共和国や中国の動向を引き合いに、「わが国を取り巻く安全保障環境の厳しさが増している」ことを反復している。おまじない枕詞ではなく、今世紀に入ってからの「安全保障環境の変化」について、各国の具体的な統計数字等をあげて、説明を求める。
2.2019年度補正予算では、総合ミサイル防空能力の強化に1456億円が計上されている。これは自然災害など「予算作成後に生じた事由」(財政法第29条)に基づく支出とは言いがたく、財政法の法理に反する違法な予算計上である。本「予算作成後に生じた事由」について、どのような「安全保障環境の変化」を背景にしているのか、その政策的判断は政府機関のどのレベルで行ったのか等について、具体的に説明されたい。
3.後年度負担について質す。借金の残高となる「後年度負担額」は、ついに5兆4310億円になったが、単年度の防衛費を低く見せるカラクリであり、財政の硬直化を拡大する手法である。防衛省として、新規後年度負担を減額していく方途、計画について、方針があるのかないのか。見解を明らかにされたい。
4.2020年度予算では「対外有償軍事援助(FMS)」による調達経費が4713億円となった。最新兵器を購入できるとされる一方で、米国の言い値のままの前払い、納入時期も不透明だとの指摘がある。さらに日本が支払いをしたものの、納品されていない装備品が2018年度末で132件、326億円、未精算が263件、493億円に上ると2019年、会計検査院の指摘事項となった。
本年1月22日、防衛装備庁が米国防総省の国防安全保障協力局との「日米安全保障協力協議(SCCM)」を開き、「未納入や未精算のケースが相次いでいる問題を受け、契約の履行状況を確認するための会議を定例化するなどチェック体制を強化することで合意した」との報道(1月22日、時事通信)があった。単なる「チェック体制の強化」にとどまらず、米国に一方的に有利な契約であるFMS自体をやめることが必要と考えるが、防衛省のFMS契約の現状に対する評価、認識を明らかにされたい。またかかる不平等な契約形態をやめる考えはないのか、防衛省の見解を明らかにされたい。
5.鹿児島県馬毛島の用地買収について質す。報道によれば、防衛省は、2019年度予算に辺野古新基地建設で計上したものの執行のめどがたたなかった予算などを流用した、と報じられている(1月5日、琉球新報)。この予算流用は、目的外使用にあたり、財政法の基本原則(32条)に反し、財政規律を無視した予算執行である。流用の政策判断は政府機関のどのレベルで行ったのか、日時等を含め具体的に説明されたい。
6.イージス・アショア関連では、発射装置の取得費115億円、調査費など14億円が計上された。候補地とされる秋田、山口の地元の受け入れ合意がない中で、2018年度から毎年、予算に計上しているが、地元住民、自治体の意向を無視する予算措置と断ぜざるを得ない。防衛省の見解を明らかにされたい。
さらにイージス・アショアにかかる経費は総額6000億円を超えるとの指摘もあるが、30年間の維持・運用経費、ミサイルの取得費、ミサイル発射装置や用地取得費など、すべての関連経費を含めた総額はいくらになるのか、現段階での見込み総額を示されたい。
7.2020年度予算では、いずも型護衛艦の改修費31億円が計上されている。今後の見込まれる経費も含め、いずも型護衛艦を空母化するために必要な関連経費も含めた見込み総額と内訳を示されたい。
米軍はF35Cの補給用エンジンの輸送にCMV-22オスプレイを使用する計画である。自衛隊はCMV-22を導入するのか、現段階での防衛省の方針、検討状況を示されたい。
8.次期戦闘機の開発には111億円、関連してミッションシステム・インテグレーションの研究76億円、遠隔操作型支援機技術の研究1億円が計上された。報道によると、総額1兆5千億円かかると報じられている(2019年8月21日、読売新聞)が、関連経費も含め総額はいくらかかるのか、項目ごとに示されたい。
さらに、防衛省は次期戦闘機の性能として長距離飛行能力、多くのミサイルを搭載できる能力を重視していると言われるが、なぜそのような性能が求められるのか、必要なのか、どのような「脅威」を想定しているのか、具体的な事例をあげて、明らかにされたい。
9.中東への自衛隊派兵について、法的根拠は防衛省設置法4条の18だが、第4条には「防衛省は、次に掲げる事務をつかさどる」として「十八 所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと」とある。哨戒機や軍艦を中東に送ることを、事務と解釈するのは、著しい拡大解釈ではないのか、防衛省の見解を明らかにされたい。
また、バーレーンの米海軍司令部に連絡要員を派遣し、米軍と情報を共有すると報じられているが、どのような情報を共有するのか、明らかにされたい。
さらに、いわゆる有志連合には加わらず「中東地域の航行の安全に係る特定の枠組みには参加せず、自衛隊の情報収集活動は我が国独自の取組として行う」(2019年12月27日、閣議決定「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」)とされているが、米軍と情報共有するのであれば、実質的には海自が有志連合の一角を情報面で担うことになる。独自の取組であることを明確にするため、米軍との情報共有をやめるべきではないか。見解を明らかにされたい。
加えて、海自の活動が独自の取組であると判断する根拠や基準、担保、どのような状態を超えれば「独自の活動」でなくなるのかといった限度や一線を設定しているのか、明らかにされたい。
10.現在進行中、ないしは検討中とされている以下の武器輸出・共同開発案件について、進捗状況(現状、結果の出る時期の見通しなど)を具体的にお答えいただきたい。
(1)米国への日本製鋼所製の艦載砲(62口径5インチ砲)の輸出
(2)フィリピンへの三菱電機製の防空レーダー「FPS3」の輸出
(3)米国へのF15戦闘機旧型の輸出
(4)インドとギリシャへの軍用救難飛行艇「US2」の輸出
(5)UAEとニュージーランドへの軍用輸送機「C2」の輸出
(6)三菱電機が参加している英国との戦闘機用新型ミサイルの共同開発
11.政府予算案には「国際防衛装備品展示会への出展」経費として2億円が計上されている。2020年度の国内外での具体的な出展予定とそれぞれにかかる経費を示されたい。
12.2019年11月18日から3日間、幕張メッセで開催された総合武器見本市「DSEI Japan」で配布された公式ガイドブックには看過できない部分が存在する。14ページのイベントディレクターであるAlex Soar氏のインタビューに「近年の日本国憲法の一部改正に伴い、軍備拡大、自衛隊の海外派遣、日本の防衛産業のより積極的な海外展開が可能になった」と記されているが、これは明らかな事実誤認である。この武器見本市を後援した防衛省として、この誤記の事実を把握したのはいつか。また、こうした事実誤認の記載されたガイドを配布した主催者に対して、謝罪や訂正、再発防止などを求める指導を行った事実はあるか。あるいは今後、行う予定はあるか、明らかにされたい。
13.防衛省は外国製ミサイルの購入と自国開発、現有ミサイルの射程延伸により、以下の8種類もの長距離ミサイルの保有を企てている。これらは「専守防衛」を明らかに逸脱する事実上の敵基地攻撃兵器に他ならない。
・高速滑空弾(最大1千キロ)
・極超音速ミサイル
・空対艦ミサイル「ASM3」(200キロから400キロに)
・12式地対艦誘導弾(百数十キロから300キロに)
・新空対艦ミサイル(300キロ)
・巡航ミサイル「JSM」(500キロ)
・巡航ミサイル「JASSM-ER」(900キロ)
・巡航ミサイル「LRASM」(900キロ)
これら長距離ミサイルのそれぞれの配備予定時期とこれらのミサイルが搭載される武器名、製造・開発企業名、導入経費の総額を示されたい。
14.2020年度において計画されている海外での他国との共同訓練について、名称、内容、時期などの詳細を示されたい。