【報告】日本製鋼所は艦載砲の米国輸出をやめろ!1.14大崎本社抗議アクション |
日本製鋼所は艦載砲の米国輸出をやめろ!1.14大崎本社抗議アクション
NAJATが呼びかけた「日本製鋼所は艦載砲の米国輸出をやめろ!1.14大崎本社抗議アクション」には15人が参加しました。輸出が狙われているのは、日本製鋼所が英国の大手武器メーカー(注:BAEシステムズと思われる)の関連会社(米国)からライセンスを得て生産している5インチ砲の構成品(砲身以外のほぼ全て)で、近代化改修された米海軍のイージス艦などに搭載される見込みです。イラク戦争などで国際法違反の先制攻撃などの役割を果たしてきたイージス艦への搭載は、米国とイランとの間の軍事的緊張が高まる中、戦争犯罪への加担につながりかねません。
まずは大崎駅南改札口前で、横断幕や同社イメージキャラクターの斎藤工さんに「軍需企業・日本製鋼所の宣伝に手を貸さないでください」と訴えるプラカードなどを掲げてマイクアピール。チラシも配布しました。昼休みで人通りも多く、注目度は高かったです。
その後もアピールを続けながら、事前のアポイントの通り、代表者3人が、NAJATと日本山妙法寺からの要請書も持参して同社本社の入るゲートシティ大崎ウェストタワー23階を訪問。応接室で、総務部総務グループの担当課長2名を含む4名が対応しました。冒頭、「会社の決まりで、名刺は渡さないし、受け取らない」と表明。今回の武器輸出の問題点を追及しましたが、何を聞いても「政府の方針に従う。質問には答えない」の一点張り。挙げ句に「会社の決まりだから」と要請書の受け取りも拒否して、「置いていくなら破棄する」と言い放ちました。企業の傲慢な体質のにじみ出たひどい対応でした。
※後半に、届かなかったNAJATの要請書とやり取りの概要を掲載しましたのでご覧ください。
輸出商戦の結果は1月中にも出ると言われています。引き続き、取り組みを展開していきます。ぜひ、同社に「武器輸出をやめて!」の声を集中してください。メディアはしっかり報じてください!
【日本製鋼所】
〒141-0032 品川区大崎1-11-1(ゲートシティ大崎ウェストタワー23・24階)
<代表>
TEL 03-5745-2001
FAX 03-5745-2025
<特機本部> ※武器を担当する部署です。
TEL 03-5745-2086
FAX 03-5745-2087
<室蘭製作所>
TEL 0143-22-0143
FAX 0143-24-3440
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【要請書】
株式会社日本製鋼所 代表取締役社長
宮内直孝様
米国への艦載砲の輸出商戦からただちに撤退するよう求めます
2019年末、重大な武器輸出案件が発覚しました。鋼材と機械のトップメーカーとされる日本製鋼所が生産する艦載砲の米国輸出の動きです。勝股秀通氏(元読売新聞防衛担当記者)が月刊誌『Wedge』2020年1月号の連載コラムで明らかにしたもので、1月中には輸出商戦の結果が出ると言われています。危険な動きがこうした形でしか明るみに出ないこと自体が大きな問題です。
輸出が狙われているのは、「英国の大手防衛装備品メーカー」(BAEシステムズと思われる)の関連会社(米国)からライセンスを得て生産している5インチ砲の構成品(砲身以外のほぼ全て)で、近代化改修された米海軍のイージス艦などに搭載するためだといいます。米イージス艦は、イラク戦争などで国際法違反の先制攻撃などの役割を果たしてきました。米国とイランとの間の軍事的緊張が高まる中、米国の戦艦への武器輸出は戦争犯罪への加担につながりかねません。
日本製鋼所は、1907年に艦載砲や榴弾砲など武器の国産化を目的に誕生し、原子炉容器の世界トップシェアを誇っていたことでも有名です。貴社は、東電福島第一原発事故をはじめ、多くの人々に放射能被害をもたらした原子力事業への関与について、その責任を明らかにすべきです。その反省もないまま、再び誤った国策に協力して、「死の商人」への道を突き進むのでしょうか。
もし今回の輸出が実現すれば、2014年4月1日に安倍政権が「武器輸出三原則」を撤廃し「防衛装備移転三原則」を閣議決定して以降、本格的な武器輸出の初めてのケースとなります。貴社特機本部の中西清和副本部長は「将来的には、米国から複数の友好国への輸出も見込まれ、装備移転が増加する道も開ける」と述べており、武器輸出に弾みがつくことが危惧されます。
憲法9条のもとで、日本企業の軍需部門の比率は極めて低く抑えられてきました。日本が進むべき道は、武器輸出ではなく、世界の武器取引を縮小させ、紛争の原因自体を取り除くために尽力することです。日本企業は率先して、人を殺すためのモノづくりではなく、人を生かすためのモノづくりに専念すべきです。
今からでも遅くはありません。米国への艦載砲の輸出商戦からただちに撤退してください。「死の商人」となる道から、ただちにひき返してください。
2020年1月14日 武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
東京都新宿区下宮比町3-12 明成ビル302 3.11市民プラザ気付
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【日本製鋼所への申し入れ概要】(約30分、同社応接室にて)
市民側:杉原、泉(日本山妙法寺)、倉田
日本製鋼所側:総務部総務グループの担当課長2名を含む4名
(注:課長から4名の苗字のみが記され「個人情報となるので、第三者への情報開示は厳禁」と書かれたメモを受け取る)
<市民>
この輸出案件を雑誌『Wedge』を除いてメディアが報じていないことを承知しているか?
<総務部 担当課長>
そうだ。
<市民>
政府が秘密にしていても、当該企業として情報公開すべきではないか?
<課長>
法を遵守して、防衛装備移転三原則に基づいて、政府の方針に従い貢献していく。
<市民>
情報が隠されて武器輸出が進められるのはおかしいと思わないのか?
<課長>
政府方針に従いやっていく。お答えできない。
<市民>
情報を発信すべきだ。説明責任の放棄ではないか?
<課長>
公開はできません。
<市民>
防衛装備移転三原則の運用指針 https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/bouei3.pdf の1の(2)のイの(エ)には「救難、輸送、警戒、監視及び掃海に係る協力に関する防衛装備」とある。(後記:今回はその上の(ウ)の「米国からのライセンス生産品に係る部品や役務の提供」を適用しているのだろうが)今回の艦載砲は上記の範囲を明らかに逸脱しており、(ライセンス生産の部品なら何でもいいというのはおかしい)運用指針に反しているのではないか?
<課長>
そうであるかどうかは分からない。
<市民>
政府の方針が間違っていても従うのか?
<課長>
お答えできない。
<市民>
いったん輸出の動きを止めて、今回の案件が運用指針などに反していないのかを会社として精査して、社長に見解を文書で回答してほしい。
<課長>
できません。
<市民>
今回の申し入れは取締役社長まで届くのか?
<課長>
特機本部長(苗字は香川)までだ。そこまでしか担当していない。
<市民>
では、社長まで届けるように、特機本部長に伝えてほしい。
<課長>
そのように添えます。
<市民>
原子炉製造メーカーとして、東電福島第一原発事故により多大な被害が生み出されたことについて、会社として責任を感じているか?
<課長>
今回の趣旨の範囲外なのでお答えできない。
<市民>
イメージキャラクターの斎藤工さんは今回の武器輸出の件を知らずに契約されたと思う。ご本人に事実をきちんと伝えてほしい。
<課長>
ご要望として上に伝える。
<市民>
※要請書を読み上げ。
<課長>
要請書は受け取れない。会社のきまりだ。
<市民>
それはおかしい。理由は何か? いつそんなきまりができたのか?
<課長>
お答えできない。置いていくなら破棄する。
<市民>
置いていく(NAJATと日本山妙法寺の2通)。そんなルールは変えるように伝えてほしい。
<課長>
伝える。