【紹介】自衛隊の中東派兵の中止を求める要請書 |

12月19日夕方、「大軍拡と基地強化にNO!アクション2019」が呼びかけた中東への自衛隊派兵の中止を求める防衛省抗議行動が行われました。新しい横断幕もお目見え。20人ほどと少数ながらも抗議の声をぶつけました。12月27日の閣議決定当日には、朝8時から、総がかり行動による緊急官邸前抗議が行われます。
防衛省に提出された要請書を転載します。ほとんど報じられていない海上自衛隊の海外訓練の内容や派兵の背景などについて、しっかりと書き込まれています。ぜひご一読ください。また、広めてください。
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防衛大臣 河野太郎 殿
自衛隊の中東派兵の中止を求める要請書
海上自衛隊の艦艇と航空機のオマーン湾への派兵が23日にも閣議決定されようとしている。国会の承認を求めることもなく、閣議決定だけで中東への派兵が強行されようとしていることに、私たちは怒りを禁じえない。
しかも、派遣期間は1年であるという。ケミカルタンカー「国華丸」がホルムズ海峡で、吸着機雷で攻撃されたのが6月13日、サウジアラビア油田のドローン攻撃が9月14日である。10月から12月まで大きな事件は何も起きていない。軍艦など派遣せずに外交努力を積み重ねることが、いま問われているのではないか。それなのに何故1年間という長期の派兵を強行しようとしているのか。
私たちは、これは海上自衛隊が、アメリカ第5艦隊の任務の一端を恒常的に担うための第1歩だからだと考えざるを得ない。すでに、海上自衛隊は10月末から11月にかけて、アメリカ海軍が主催する「国際海上訓練」に参加した。機雷掃海と臨検の訓練である。開催場所はペルシア湾内のバーレーン。
掃海母艦「ぶんご」(呉基地所属)と掃海艇「たかしま」(佐世保基地所属)は、ホルムズ海峡を超えてバーレーンに向かい、11月4日には同国周辺海域で参加した、各国の艦艇と、艦隊航行訓練まで行った。76ミリ砲を搭載する掃海母艦「ぶんご」は巨大な旭日旗(自衛艦旗)を掲げて、艦隊の先頭を航行している。こうした軍事力を誇示する行為はペルシア湾内及びホルムズ海峡周辺の緊張を高めるだけである。
防衛省設置法第4条に基づく派遣であり、「海自護衛艦による保護の対象を日本籍船に限定する方針を決めた」と18日の新聞各紙は報道している。しかし、海自艦艇および航空機の活動は、決してそれにとどまらないであろう。アメリカ海軍がペルシア湾内での訓練を呼びかければ、海上自衛隊が繰り返しそうした訓練に参加することは確実であり、そうした軍事力の誇示が偶発的な衝突を引き起こしかねないことを私たちは恐れる。
1988年7月3日のアメリカ海軍のイージス巡洋艦「ヴィンセンス」による、ホルムズ海峡上空でのイラン航空エアバス655便の誤撃墜事件を私たちは忘れない。「ヴィンセンス」は大型の民間航空機655便を、アメリカがパーレビ政権に売却したF14戦闘機と誤認して、スタンダードミサイルを発射して撃墜、子供66人を含む6ケ国の乗員乗客290名の命を一瞬にして奪いさったのである。先に述べた「国際海上訓練」にアメリカ海軍はイージス巡洋艦「ノーマンディ」を参加させており、こうした事件が再発する可能性なしとしない。強大な軍事力で相手をねじ伏せようという発想では何も解決しない。
河野太郎防衛大臣は11月5日の衆議院安全保障委員会で、イラン政府の反応を問われ、「イランの防衛大臣と電話会談をし、中東における情勢について意見交換を行いました。外交儀礼として、先方がどのような発言をされたかということについて私から申し上げるのは差し控えます」として、イラン政府の意向を国会で説明することを拒否した。さらに、「米国のイニシアチブに今のところ参加する予定はございません」と答弁する一方で、「米国とどのような連携をしていくのか、今防衛省で検討しているところでございます」とも答弁している。こうした答弁を聞く限り、今回のオマーン湾派兵は、あまりに不透明だと断言せざるを得ない。派遣される自衛官は命の危険にさらされかねない。私たちは今回の派兵を中止することを強く求める。
2019年12月19日 大軍拡と基地強化にNO!アクション2019

