「武器見本市の開催中止を求める共同声明」呼びかけ人・賛同人からのメッセージ |


武器見本市の開催中止を求める共同声明「武器見本市なんかいらない、どこにも」
※共同声明の呼びかけ人・賛同人(一覧 https://kosugihara.exblog.jp/239726043/ )から寄せられたメッセージ一覧です。武器見本市の問題点が多角的に浮かび上がります。ぜひ、じっくりとお読みください。
【呼びかけ人からのメッセージ】
<申惠丰(青山学院大学教授)>
シリア、イエメンなど、世界各地でとどまることなく発生している人道危機の裏には武器の流通があり、武器輸出で利益を得る軍需産業と、それを後援している国家があります。安全保障に責任をもつはずの国連安保理のシステムが全く形骸化しているのは、常任理事国自らによる武器輸出や軍事介入が根本原因です。武器貿易条約(ATT)採択など、国際的に武器管理の動きが強まるなか、同条約を批准しかつ平和憲法をもつ日本がむしろ武器輸出に乗り出していることは、その動きに逆行するものです。武器見本市NO!! 人を殺傷する物で金儲けをすることを助長しないで下さい。
<中野晃一(上智大学教授)>
貧すれば鈍する、と言いますが、私たちは平和国家を希求する戦後の誓いを捨ててしまうのでしょうか。「死の商人」と距離を置いて成し遂げた経済発展の誇りはどこに行ってしまうのでしょうか。 一度、軍需産業に依存した経済は、薬物依存のように内部から腐敗していくことになります。軍需産業がもたらす平和などありませんし、軍需産業に依存した経済に正義も公平もありません。日本に武器見本市など不要です。開催中止を求めます。
<雨宮処凛(作家・活動家)>
本日は参加したかったのですが予定があり、残念です。
武器見本市の開催中止を求める活動、ずっと関心を持ってみてきました。「見本市くらいいいのでは」という声もあるかもしれません。ですが、世界中で多くの人々が命を落としています。
ニュースで見るシリアなどの悲惨な惨状や、何の罪もないのに命を奪われる子どもたちの映像と、この見本市は確実に繋がっているものです。武器が向かう先を、ぜひ想像してみてほしいです。
<池内了(名古屋大学名誉教授)>
世界の情勢を見ると、各国は最新鋭の武器の製造・調達に多額の金をかけているが、実際にはそれを使う大きな戦争は起こらなくなって無駄な鉄くずを作っているのが実情だ。
これを私は「軍拡パラドックス」と呼んでいるが、世界は全体として非戦の方向に進んでおり、武器取り引きは軍産複合体が好戦的言動で国民を騙している政治家を利用した資本の策略と言える。武器見本市のような有害な催しは直ちに中止すべきと強く訴えたい。
<高橋宗瑠(大阪女学院大学教授)>
紛争地などで勤務すれば、武器を輸出しないことがいかに日本の評判を高くしていることか身にしみて感じられます。平和憲法は日本国民のみならず世界にとってこの上なく貴重な資産で、日本は死の商人になって一部の企業の利益を得ようとするのでなく、平和国家として世界に貢献するべきです。
【賛同人からのメッセージ】
<佐々木寛(新潟国際情報大学国際学部教授・日本平和学会理事)>
兵器見本市の開催は、グローバルな戦争経済への加担であり、それは戦争そのものへの加担にほかなりません。倫理的・人道的見地からも、開催に強く反対します。
<堀尾輝久(東京大学名誉教授)>
日本で、千葉の幕張メッセで、世界の武器見本市? 我が目、我が耳を疑うばかり。武器を、戦力を放棄した日本国憲法のもとで、こんなことがなぜできるのか。
出品する日本の、外国の軍事産業、武器製造に手を染めている大企業と下請け産業、その実態と構造を暴く機会でもある。国際的な軍産複合体の関係・構造を明かす機会でもある。
しかも防衛省、外務省、経産省が後援するとは、明らかな憲法違反ではないのか。マスコミ関係者の、研究者(とりわけ政治・経済学)の鋭利な分析に期待する。国会での憲法論を含む真摯な論議を期待する。
いま日本の社会はどうなっているのか、どこへ行くのか。このまま行けば軍事優先社会になることは間違いない。どうストップさせ、平和への道を拓いていくか。平和を希求する研究者、市民の課題である。
<小林武(沖縄大学客員教授)>
相次ぐ台風による甚大な被害は、軍備増強に血税を投入するのではなく、人命を守る防災の国土づくりこそ急務であることを教えました。しかし、現在の安倍政治には、そこから真摯に学ぼうとする姿勢がありません。私たち国民が平和の声を挙げ、武器見本市をやめさせましょう。
<赤嶺政賢(衆議院議員)>
沖縄県の故・翁長雄志前知事は、沖縄が平和の緩衝地帯の役割を果たすことを訴えました。沖縄、そして日本をアメリカの軍事拠点から平和の拠点へ。武器輸出禁止三原則を復活させ、東アジアと世界の軍縮をリードする日本へ。共に頑張りましょう!!!
<杉田弘也(神奈川大学経営学部特任教授)>
日本は、私が専門とするオーストラリアと同様、武器製造を産業政策として位置づけ、低迷する製造業の中心にしようとしているようにみえます。これはたいへん危険なことだと考えています。産業政策維持のため、地上に紛争が続くことを歓迎することになるからです。武器見本市の開催中止を強く求めます。
<吉田敏浩(ジャーナリスト)>
対立と戦争につながる武器ビジネスに反対です。
<三輪定宣(千葉大学名誉教授)>
武器見本市の開催は、平和教育の推進を掲げる国際人権A規約13条の理念にも反し、子どもたちの好戦的感情を助長することは必至です。教育学者の立場から開催に強く反対します。
<稲正樹(元国際基督教大学教授)>
日本国憲法は、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と前文で述べています。武器は、全世界の人々から平和に生きる権利を剥奪するものです。
私たち日本の国民は、平和に生きる権利が保障される世界を希求し、その実現を全力で努めることを要請されています。武器見本市を日本で開催することは、憲法の命ずるところに真っ向から反します。幕張メッセにおける武器見本市の開催を、直ちに中止することを求めます。
<井上哲士(参議院議員)>
日本がやるべきことは憲法9条生かした平和外交、武器でもうける国になってはなりません。
<本田浩邦(獨協大学教授)>
武器の保有はつねに抑止力を保持し力の均衡を維持するためのものとして正当化されてきました。この度の武器見本市もその理屈に立って開かれるのでしょう。しかし戦後のアジアで本格的な戦争を抑止してきたのは、そのような武器による脅し合いではなく、かつての戦争の悲惨さだけは繰り返してはならないという強い意識がアジアの人々の底流にあるためです。「反中」「嫌韓」など隣国への敵対心を煽る行為はそうした真の戦争への抑止力を掘り崩すものであり、戦争への一里塚です。武器を捨て外交に徹すること以外に平和への道はありません。その意味において私は武器見本市に強く反対します。
<根森健(新潟大学・埼玉大学名誉教授)>
陸海空軍、サイバーなどを広く扱う「日本初の総合武器見本市」と銘打って行われようとしている武器見本市「DSEI JAPAN」の幕張メッセでの開催は、日本国憲法前文と9条に基づく平和的生存権・戦争や武力に寄らない平和主義とは全く相容れないものです。防衛省・自衛隊、防衛装備庁、外務省、経産省による「後援(support)」は、憲法の基本理念に反する行為で、本来あってはならないものです。また、千葉県による武器見本市への県有施設の貸し出しは、「戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求する」と明記した「非核平和千葉県宣言」に反するものです。国の省庁も千葉県も、政治・行政を担うものとしての自覚と責任をもっとしっかりと持つべきです。
<千葉眞(国際基督教大学特任教授・政治思想専攻)>
現政権下でかなりの軍拡が推進され、昨年12月に公表された中期防でも一層の軍拡が予定されている。日本が戦前戦中に軍国主義に邁進した「いつか来た道」に舞い戻るのではないかという危惧を持たざるを得ない。最近、グテーレス国連事務総長が世界各国の軍事競争と軍拡に警鐘を鳴らす軍縮アジェンダ「私たちの共通の未来を守る」を公表した。侵略戦争の非と愚を体験し、ヒロシマとナガサキの被爆という戦争の惨禍を知る日本は、国連の軍縮アジェンダを先頭に立って推進する国になり、軍縮・平和外交・非戦型「協調的安全保障」政策によって、憲法9条による世界平和の道を指し示すべき立場にあることは、自明ではないだろうか。
<大内要三(ジャーナリスト)>
開発されている新しい武器は、相手の顔を見ずに遠くから効率的に相手を倒すものが多いようです。攻撃される兵士・市民の痛み、遺族の悲しみを想像することのない殺戮者、人が人でなくなるのは、恐ろしいことです。武器製造・取引に反対します。
<笹沼弘志(静岡大学教授・憲法専攻)>
戦争は武器がなければできません。矢折れ弾尽きれば戦争はできません。際限のない戦いが続いているのは、限りなく武器を作り売りさばいている人たちがいるからです。子ども兵士がいるのは子ども兵器をわざわざ作って売りさばいている人がいるからです。
人々を殺し合わせることで、巨万の富をむさぼり食っている人たちがいるからこの世の中から戦争がなくならないのです。戦争を終わらせる近道は武器を作らせず、売らせないことです。武器見本市の開催中止を求めます。
<渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)館長)>
植民地支配と侵略戦争でたくさんの命を奪った日本人は、武器で儲けてはならない ―― それはアジアと世界の人々との約束です。
<勝谷太治(日本カトリック正義と平和協議会会長・司教)>
戦争の要因は、「経済的・社会的分野での不正や過度の不公平、人々や国家間に広がる羨望、不信、高慢など」(『カトリック教会のカテキズム』2317)であると、カトリック教会は考えます。富むものを富ませる武器の売買は、それらの要因を新たに生み出します。消費され、循環されない商品はなく、武器が商品となれば、その消費は戦争です。武器の売買に反対いたします。
<太田昌国(編集者・評論家)>
もはや常態化した台風と豪雨による被災は全国各地に及んでいます。とりわけ、今年の台風15号、19号、21号による被害は、同じ地域を二重、三重に痛めつけています。この被災の悲惨さを伝える映像のそばに、武器見本市でこれ見よがしに展示されるであろう、効率的な人殺しのための最新兵器の映像を置いてみるなら、政府・地方自治体・企業・市民のどの立場から見ても、どちらを選択し、緊急の対応をしなければならないかは、自明のことです。国境の外に「敵」を想定して、武器を売買することを止め、国境を超えて猛威をふるう自然災害に備える知恵を生み出すために国際的な協働体制を創るべきでしょう。
今年、もっとも深刻な自然災害を克服するために懸命な努力を続ける千葉県の人びとが住まう行政区域で、武器見本市を開催することの、恐るべき反倫理性を思い、これに反対いたします。
<豊下楢彦(元関西学院大学教授)>
「安全保障問題の解決の鍵は兵器ではなく、政治にある」(ゴルバチョフ)。今こそ、「人類」「生命」「将来世代」を救うために国連事務総長が唱えた「軍拡から軍縮へ」という大きな目標に向けて世論の流れを生み出していきましょう。
<前田佐和子(元京都女子大学教授)>
種子島・奄美大島などを含む薩南諸島と、沖縄本島から宮古、八重山にいたる琉球諸島からなる南西諸島では、自衛隊のミサイル基地建設が怒涛のごとく進められている。射程を延伸した最新式の地対艦ミサイルと、その運用部隊の防護に地対空ミサイルを配備する。さらに、極超音速滑空飛翔体という新型兵器が開発され、配備される。これらの兵器や部隊の運用は、日本版GPSといわれる準天頂衛星や、初めて自衛隊が所有することになったXバンド軍事通信衛星などで統御される。防衛計画の大綱で謳われた「宇宙・サイバー・電磁波」の3つの新領域とは、南西諸島の軍事要塞化を象徴するものである。
島嶼戦争を進めるに際して、軍事技術の開発は喫緊の課題であり、巨額の国費が投入されている。DSEI JAPANは、最新の軍事技術の情報交換の場であり、積極的に武器市場を開拓することで、巨大な軍事産業を育てることに繫がるだろう。日本がアジアに軍事的緊張を生み出し、戦争への道に踏み出すことを止めなければならない。
<朴慶南(作家)>
武器見本市に強く反対します。憲法九条を掲げる日本の役割は、世界に平和を発信することです。決して、戦争の道具である武器を商品として並べて売ることではありません。人を傷つけ、命を奪う武器でお金儲けを企むことだけは、何としてもやらないでください。
<小寺隆幸(軍学共同反対連絡会事務局長)>
6月に幕張で行われた武器見本市MAST Asia 2019に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「はやぶさ2」の原寸大模型を展示していました。武器の売り込みのために政府は、研究機関や大学・民間企業の科学技術をも世界の軍産複合体に誇示し、提供しようとしています。このように武器見本市は日本の科学技術を軍事に深く組み込む場としても位置付けられようとしており、その意味でも断じて許すわけにはいきません。
<藤岡惇(「兵器と核の宇宙配備反対!地球ネット」理事・立命館大学名誉教授)>
米国の科学者たちが毎年末に公表している「地球終末時計」によると、地球滅亡までの時間は、「2分前」という最悪レベルに落ち込んでいます。なぜそうなったのか。宇宙軍の創設を背景にして、「核ミサイル防衛」という野心的な目標を30年ぶりに米国のトランプ政権が追求しだしたことと深い関係があります。ロシア・中国・北朝鮮を相手とする核戦争が始まっても、宇宙軍と日本のような「前線国家」のあいだに「核の盾」を築いておけば、米国の中枢部は生き残ることができる。核戦争を管理し、有利な条件下で休戦に持ち込めると、トランプ政権は考えているからです。しかしそんなにうまく進むのか。3度目の核戦争は、宇宙戦争、サイバー攻撃・原発攻撃を伴うかたちで進むことでしょう。いま日本のような「前線国」が「改憲」を行い、核ミサイル防衛に全面的に組み込まれると、どうなるのか。電磁パルスが宇宙から地上を襲い、電力網の全系崩壊が起こり、長期間、「核の闇」に閉ざされる。最悪の場合、日本は無人の荒野に戻る可能性があると思います。この見本市は、破滅的な宇宙核戦争に日本を近づけるものであり、中止を求めます。
<長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター事務局長)>
我々日本国際ボランティアセンターは、アフガニスタン、イラク、パレスチナをはじめとする暴力、紛争の絶えない場所で活動しています。その地に住む私の友人たちは、終わりのない紛争や占領にうんざりとしていると言いながらも、暴力に訴えることなく、懸命に自分たちの未来をつくろうとしています。今、パレスチナにいますが、ここで出会ったパレスチナの人々は私に「日本は平和的だ。日本は別の惑星だ(それだけ見本にしたいという意味)。」とこちらが恥ずかしくなるほどいいイメージを持って語ってくれています。日本は紛争を止めるどころか、今、進もうとしているのは、世界に武器を売ることで私たち自身の世界を壊そうとする道です。中東の人々がもっている日本のイメージは我々の財産です。そして武器見本市は絶対に止めなければいけません。
<清末愛砂(室蘭工業大学大学准教授)>
武器見本市の開催中止を強く求めます!
イスラエルによる厳しい封鎖下にあるガザから帰ってきたところです。出入りが厳しく管理されているために、ガザ住民は基本的にそこから出ることができません。野外監獄そしてゲットーであるガザでは、封鎖ゆえに屈辱的なほどに貧困生活を強いられていようとも、人々は人間の尊厳を保つために、またこれ以上奪われることがないようにするために、さまざまな方法で日常を<生きよう>としています。わたしは封鎖とともに暮らすことを強いられている子どもたちに絵を描いてもらうプロジェクトを実施するために、ガザに滞在しておりました。昨年は入域した途端にイスラエル軍による空爆が始まったため、プロジェクトを延長せざるを得なくなりました。今年の3月は同じく空爆によりガザ入域が認められませんでした。そしてようやく今回、ガザで絵画プロジェクトを実施できましたが、そこで描いてもらった子どもたちの絵は実にリアルにガザの状況を表現するものでした。子どもたちが世界に発する自由を求める声。爆撃の恐怖から解放されることを願う声。イスラエルはそのような声を無視し、封鎖した上で爆撃を行うのです。このようなことが許されるはずがありません。武器見本市DSEI JAPANへ出展する企業が売る武器がこのような声を踏みにじり、人々の命を奪うのです。それを現場の経験で知っている以上、わたしは武器見本市DSEI JAPANの開催に反対せずにはいられません。開催中止を強く求めます。
わたしの本業は憲法研究者です。憲法前文が高らかに謳う全世界の人々の平和的生存権を実践するための活動の一環として、ガザでのプロジェクトを行ってきました。これ以上のガザ住民に対するグローバルな棄民化を認めないために、ガザの人々の平和的生存権を追求するために、DSEI JAPAN開催に反対の声を出します。
<武井由起子(弁護士)>
ええ?幕張メッセで武器見本市?! その「DSEI JAPAN」は、規模の大きさにおいても、展示や商談の危険性においても、国内で開催されてきた武器見本市の中で最悪のものとなる恐れがあるのだそう…
いくら平和な日本と言っても、日本製の武器やそういう企業に加担して多くの人を殺めているのであれば、私たちの手は血に染まってるわけですよね。その報いは、いつか私たちの子どもたちが受けることになるのではないのか。
しかし、これは仏教的な杞憂に過ぎないではないかって思ってたら、去年来てくれたイラク戦争のベテランズ(元兵士)ネイサンさんは、襲撃が終わったところで敵の兵器を見たら「Made in USA」ってあって、途方もない気持ちになったと教えてくれた。ゾゾゾ…