「武器見本市の開催中止を求める共同声明」呼びかけ人・賛同人一覧 |
【共同声明】
武器見本市なんかいらない、どこにも
11月18日から20日まで、千葉県有施設である幕張メッセで、国内外の約150社が出展する大規模な武器見本市である「DSEI JAPAN」が開催されようとしています。ロンドンで隔年開催されている世界最大規模の武器見本市の初の海外出張版であり、陸海空軍、サイバーなどを広く扱う「日本初の総合武器見本市」と銘打っています。幕張メッセでは、この6月にも海軍関係の武器見本市「MAST Asia」が開かれ、230人の市民による抗議行動が行われたばかりです。
「戦争放棄」を誓った憲法9条のもとで公然と開けなかった武器見本市が解禁されたきっかけは、安倍政権による2014年4月の「武器輸出三原則」撤廃でした。新たに決まった「防衛装備移転三原則」では、「紛争当事国への移転は認めない」との文言はあるものの、「紛争当事国」の定義は極めて狭く限定され、実質的に武器輸出が全面解禁されてしまいました。それ以来、日本は海外での武器見本市への出展を繰り返し、国内では毎年のように武器見本市が開催されるに至っています。
当初は日本による武器輸出を主目的にしていた武器見本市は、武器輸出が難航する中、海外武器の爆買いを促進する役割を果たすようになっています。F35戦闘機や長距離巡航ミサイルなど「専守防衛」を逸脱する武器の購入が図られています。過去最高の軍事費を更新し続ける日本は、海外の「死の商人」にとって魅力的な市場となっており、今後は、欧州などの軍需企業が日本をアジア展開の拠点に位置づけることさえ危惧されます。
見過ごせないのは、「DSEI JAPAN」の出展企業の中に、国際的な非難の的となっている悪名高い「死の商人」がいくつも含まれていることです。国連人権理事会が設置した専門家グループは、9月3日に公表したイエメン内戦に関する報告書で、米英仏など第三国による内戦当事者への「合法性の疑わしい」継続的な武器輸出が、「紛争と人々の苦難を長引かせている」と批判しました。ロッキード・マーチン、レイセオンやBAEシステムズは、イエメンへの無差別空爆を続けるサウジアラビアに武器を供給しています。また、これらの企業は核兵器製造企業として、投資引き揚げの対象にもなっています。
さらに、ジェネラル・アトミクスは、民間人を巻き添えにした米国の無人機戦争で多用されている無人攻撃機「プレデター」などを製造しています。キャタピラー、エルビット・システムズ、IAI、ラファエルは、イスラエルによるパレスチナ人の虐殺や抑圧に関与しています。こうした国際人道法違反に関わる軍需企業に商機を提供することは、供給された武器によって殺された人々への共犯者となることではないでしょうか。
武器見本市の開催は、戦火を引き起こす「軍産複合体」に燃料を投下するものであり、憲法9条に基づく平和主義とは決して両立しません。防衛省、外務省、経産省による「後援」は恥ずべき行為です。そして、武器見本市への県有施設の貸し出しは、「戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求する」と明記した「非核平和千葉県宣言」に反するものであり、千葉県の責任も重大です。
憲法9条を保持する日本政府、自治体、市民は、世界の武器取引をやめさせるためにこそ尽力すべきです。私たちは、武器見本市の開催に強く抗議し、政府および千葉県に以下を求めます。
1 千葉県は幕張メッセの武器見本市への貸し出しを中止してください。
2 日本政府は武器見本市への後援を取り消し、武器見本市の開催と海外での武器見本市への
出展をやめてください。
3 「防衛装備移転三原則」を廃止し、武器輸出三原則を復活・強化してください。
2019年10月31日 武器見本市の開催中止を求める共同声明 参加者一同
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呼びかけ人・賛同人一覧(2019年10月31日)
【呼びかけ人】(五十音順)
青井未帆(学習院大学教授)
雨宮処凛(作家・活動家)
岡真理(中東研究者)
金光理恵(安保関連法に反対するママの会@ちば)
清末愛砂(室蘭工業大学大学院准教授)
栗田禎子(中東研究者・千葉大学教授)
申惠丰(青山学院大学教授)
高遠菜穂子(イラク人道支援コーディネーター)
西川純子(獨協大学名誉教授)
池内了(名古屋大学名誉教授)
伊藤千尋(国際ジャーナリスト)
鵜飼哲(一橋大学教員)
志葉玲(ジャーナリスト)
杉原浩司(武器取引反対ネットワーク[NAJAT]代表)
高橋宗瑠(大阪女学院大学教授)
武田隆雄(日本山妙法寺 僧侶)
中野晃一(上智大学教授)
西谷修(東京外国語大学名誉教授)
前田哲男(ジャーナリスト)
(19人)
【賛同人】 <五十音順>
赤嶺政賢(衆議院議員)
足立英郞(大阪電気通信大学名誉教授)
足立力也(コスタリカ研究家)
有原誠治(映画監督)
飯島滋明(名古屋学院大学教授)
井口秀作(愛媛大学教授)
池田恵理子(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)名誉館長)
石川大我(参議院議員)
石川裕一郎(聖学院大学教授)
石川勇吉(愛知宗教者平和の会代表世話人・仏教僧侶)
石附澄夫(国立天文台)
板垣雄三(東京大学名誉教授)
井谷聡子(関西大学准教授)
市村忠文(全日本農民組合連合会書記長)
井筒高雄(ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン共同代表)
稲葉剛(立教大学大学院特任准教授)
稲正樹(元国際基督教大学教授)
井上哲士(参議院議員)
井原聰(東北大学名誉教授)
植野妙実子(中央大学名誉教授)
打越さく良(参議院議員)
生方幸夫(衆議院議員)
浦田一郎(一橋大学名誉教授)
枝元なほみ(料理研究家)
大内要三(ジャーナリスト)
太田昌国(編集者・評論家)
大西広(慶應義塾大学教授)
大野和興(日刊ベリタ編集長)
大野光明(滋賀県立大学教員)
岡田健一郎(高知大学教員)
小栗実(鹿児島大学名誉教授・憲法学)
尾崎芙紀(中東研究者)
押久保倫夫(東海大学教授)
小武正教(念仏者九条の会共同代表・浄土真宗本願寺派僧侶)
小野塚知二(東京大学教授)
小野文珖(群馬諸宗教者の集い代表・日蓮宗僧侶)
大日方昂(千葉大学名誉教授)
勝谷太治(日本カトリック正義と平和協議会会長)
加藤節(成蹊大学名誉教授)
上脇博之(神戸学院大学法学部教授)
河上暁弘(広島市立大学広島平和研究所准教授・憲法学)
川上泰徳(ジャーナリスト)
川嶋みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)
河村豊(東京工業高等専門学校教授)
北川善英(横浜国立大学名誉教授)
北見秀司(津田塾大学教員)
君島東彦(立命館大学教授)
金性済(日本キリスト教協議会総幹事・牧師)
木村忠彦(千葉大学名誉教授・物理学)
倉持孝司(南山大学教授)
黒木英充(東京外国語大学教授)
纐纈厚(明治大学特任教授)
髙坂勝(NPO SOSA PROJECT)
越川浩明(千葉大学名誉教授)
小竹聡(拓殖大学教授)
小寺隆幸(軍学共同反対連絡会事務局長)
小林武(沖縄大学客員教授)
小松浩(立命館大学法学部教授)
崎山比早子(高木学校メンバー)
笹川紀勝(国際基督教大学名誉教授)
佐々木寛(新潟国際情報大学国際学部教授・日本平和学会理事)
笹沼弘志(静岡大学教授・憲法専攻)
佐藤嘉幸(筑波大学教員)
清水雅彦(日本体育大学教授)
下村由一(千葉大学名誉教授)
白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
白川優子(NGO看護士)
新藤通弘(ラテンアメリカ現代史研究家)
杉田敦(政治学者)
杉田弘也(神奈川大学経営学部特任教授)
芹澤齊(青山学院大学名誉教授)
高林敏之(早稲田大学・立教大学非常勤講師)
武井由起子(弁護士)
竹森正孝(元大学教員)
田島泰彦(早稲田大学非常勤講師・元上智大学教授)
田中靖宏(ジャーナリスト)
田浪亜央江(大学教員・中東研究)
千田善(国際ジャーナリスト)
千葉眞(国際基督教大学特任教授・政治思想専攻)
趙景達(千葉大学教授)
寺川史朗(龍谷大学)
豊下楢彦(元関西学院大学教授)
長岡徹(関西学院大学教授)
中川律(埼玉大学准教授)
中島京子(小説家)
中島茂樹(立命館大学名誉教授)
中塚明(奈良女子大学名誉教授・日本近代史専攻)
中野真紀子(デモクラシーナウ・ジャパン)
行方久生(元山形大学教授)
奈良本英佑(中東研究者)
成澤孝人(信州大学教授)
西崎文子(東京大学教授)
根森健(新潟大学・埼玉大学名誉教授)
朴慶南(作家)
長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター事務局長)
早尾貴紀(東京経済大学教員)
平井玄(非正規思想家)
兵藤友博(立命館大学名誉教授)
福島みずほ(参議院議員)
福嶋浩彦(元我孫子市長)
藤岡惇((「兵器と核の宇宙配備反対!地球ネット」理事・立命館大学名誉教授)
藤田早苗(エセックス大学ヒューマンライツセンター・フェロー)
藤田進(東京外国語大学名誉教授)
細川弘明(京都精華大学教授)
堀尾輝久(東京大学名誉教授)
本田浩邦(獨協大学教授)
前田佐和子(元京都女子大学教授)
前原清隆(元日本福祉大学教員・憲法専攻)
松原幸恵(山口大学准教授)
松元ヒロ(コメディアン)
馬奈木厳太郎(弁護士)
水内宏(千葉大学名誉教授)
水島朝穂(早稲田大学教授)
光本滋(北海道大学准教授)
宮井清暢(富山大学教授)
宮川伸(衆議院議員)
三宅裕一郎(日本福祉大学教授)
三輪定宣(千葉大学名誉教授)
三輪隆(憲法・平和問題研究者、元埼玉大学教員)
武藤類子(福島原発告訴団団長)
村田尚紀(関西大学教授)
望月衣塑子(新聞記者)
森口豁(ジャーナリスト)
森英樹(名古屋大学名誉教授)
山田朗(明治大学教授)
山田厚史(ジャーナリスト)
山本富士夫(福井大学名誉教授)
湯浅正恵(広島市立大学教員)
吉田敏浩(ジャーナリスト)
渡辺美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)館長)
(130人)