無罪判決を受けたサム・ウォルトンさんからの日本市民へのメッセージ |


◆無罪判決を受けたサム・ウォルトンさん(注)からの日本市民へのメッセージ
武器貿易によって戦争、破壊から利益を得ようとする意志がある限り、それは世界の紛争を助長するだけです。武器貿易が続く限り、ロンドンは平和な都市にはなり得ませんし、日本も平和な国にはなり得ません。
私達の経済、仕事は、無実の人々の命の上に構築されてはなりません。それらは、命を生み出すものであるべきです。日本の平和活動を尊いものと思っています。皆さんがDSEIに反対する活動を起こしてくれたことをとても心強く思っています。
武器貿易は、様々なものに影響を及ぼします。世界中で平和活動や環境問題、より公正な社会をめざすすべての人たちに関係します。より想像力をもって、寛容に、開かれた心で、いろいろな人を巻き込んで、手を携えて活動できる環境を作ってください。
すべての爆弾、銃弾はどこかで生産されています。私たちは一つひとつに抵抗できるはずです。
注)2017年に2人の若い活動家(Sam Walton:クエーカー平和活動家 と Daniel Woodhouse:メソジスト教会牧師)が、はさみとハンマーを持ち込んで巨大軍需企業「BAEシステムズ」の格納庫に潜入した。彼らは、サウジアラビアに輸出寸前で爆弾も搭載した戦闘機ユーロファイターの機体の非武装化を目論んだが、壊す直前に拘束された。9カ月後に無罪判決。2人は「もしこの行為をしなければ罪の大きさは計り知れない。どちらが大罪なのか? 会社に被害を及ぼそうという考えはなかった」などと主張。ちなみに、2019年のイギリス高等法院によるサウジへの武器輸出「違法」の判決理由では、現在のサウジへの武器輸出に正当性がないことを指摘。長年にわたるアクティビスト(活動家)の行動が正しい世論を形成し、それが裁判所の判断に影響を与えるようになってきた。
◆Sam Walton さん( https://twitter.com/SamWalton )のメッセージ原文
As long as the arms trade seeks to profit from war and destruction, it will only encourage conflict. London cannot be a city of peace, Japan cannot be a country of peace, as long as the arms trade flourishes. We must build our economies and jobs not on the bodies on innocents, but in a way that gives life.
I have long admired Japan's peace movement, and I am heartened to hear that you will be opposing the DSEI arms fair in Japan. The arms trade effects those working in many areas as well as peace: for development, for peace in the Middle East, to stop climate change, for a fairer society. I hope you can work creatively in with you arms open to many different partners to build a broad coalition of those who stand together for a broad peace.
Every bomb that it dropped, every bullet that is fired, has to be made somewhere, and has to be sold somewhere. Wherever that is, it can be resisted.
※写真は「ユーロファイター・タイフーン」戦闘機とイギリスの「武器取引反対キャンペーン(CAAT)」のリーフレット