【動画&発言概要】「テロリストは僕だった」(ベテランズ・フォー・ピースを取材) |

◆テレメンタリー2016(テレビ朝日系)
「テロリストは僕だった~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち」
(制作:琉球朝日放送)
http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/
【動画】
http://www.myvi.ru/watch/20043028115_Pig3kBu1DE2y7gX6MYkpyw2
「ノーモア・ミリタリーベース!」沖縄の米軍基地の前に座り込むアメリカ人がいた。かつて沖縄に駐留していた元海兵隊員、マイク・ヘインズさん(40)だ。
ヒーローと称賛される退役軍人が、なぜ今、沖縄で基地建設を止めようと体を張るのか。
取材班は渡米し、マイクの姿を追いながら、若い兵士たちやホームレス化した元兵士たちなど、日本からは見えてこない「米軍」を追う。
※現在来日中の「ベテランズ・フォー・ピース(平和を求める元軍人の会)」の人々を描いた貴重な作品です。お見逃しなく。
<各地での集会などはこちら>
ベテランズ・フォー・ピース(Veterans for Peace 平和を求める元軍人の会)2016年11月 来日ツアー
https://www.facebook.com/VFP2016/
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◆11月17日に行われた日弁連主催の緊急シンポジウム
「戦争のリアリティとは?~「駆けつけ警護」「宿営地共同防護」を前に米国の元軍人と考える」での「ベテランズ・フォー・ピース」(平和を求める元軍人の会)のロバート・ファニングさん、マイケル・ヘインズさんのお話をまとめました。ぜひご参照ください。
(文責:杉原)
ロバート・ファニングさん(元米陸軍特殊部隊)
「初めに、来日したオバマ大統領がしなかったことをしたい。広島、長崎への原爆投下、東京大空襲について心より皆さんにお詫びする。大惨事を起こしたことにまったく正当性はない」
ロバート・ファニングさん
「9.11事件を見て、国のためにと思い陸軍特殊部隊に入った。アフガニスタンに到着して、現地の極貧さに衝撃を受けた。我々が持ち込んだのは何百万ドルの現金と高度な軍事力だ。タリバンの居所の通報を受けると、報酬を渡して家に押し入る。すると、タリバンの一味ではなく、ただの隣人同士のケンカだったりした。2001年以来、米軍の武力介入により百万人が死亡したが、その8~9割が無実の一般市民だった」
ロバート・ファニングさん
「1980年から2001年まで、500件の自爆攻撃があり、その10%が反米感情によるものだった。2001年から現在まで、2500件の自爆攻撃があったが、9割が反米感情によるものになった。世の中を安全なものにしたいと入隊したが、過去15年の米軍の介入によって、世界はもっと危険な場所になった」
マイケル・ヘインズさん(元米海兵隊特殊部隊)
「広島、長崎、東京に加えて、何百という都市への空爆も心よりお詫びする。さらに、私が駐留していた沖縄に32もの米軍基地があり、面積の2割を占め、71年もの間、基地があることも心よりお詫びする。そして、米軍侵攻以来、百万人を死亡させてしまったイラクの皆さんにも心より謝罪する」
マイケル・ヘインズさん
「海兵隊特殊部隊の一員として、2003年にイラクに行った。バグダッドに着くやいなや、毎日2~4回の襲撃を行った。通報を受けて行動したが、約6割が虚偽通報だった。ドアを爆破して中に入り襲撃、尋問したが多くは一般家庭だった。6~7歳ほどの女の子がものすごい声で泣き叫んだ。ショックで失禁したり、大便を漏らす子もいた。あの時聞いた女の子の叫び声が今も夢に出てくる」
マイケル・ヘインズさん
「イラクで毎日民家への襲撃と尋問を繰り返していて、『テロと戦う』ためだったのに、私が現地の人にテロ行為をしていたと気づいた。それを認識して以来、反対のことをやろうとした。米軍の侵攻は「イスラム国」を誕生させてしまった」「日本で今起きている憲法9条の解釈をめぐる議論については、今の決断が子や孫に重い影を落とすことを懸念している」
マイケル・ヘインズさん
「紛争に突入することについてのサポートを得る手口はまったく同じだ。言葉づかいのコントロールだ。『テロリズム』『大量破壊兵器』などのキーワードで大衆の支持を得ようとする。『積極的平和主義』は「肉を食べる菜食主義者」と同じような印象を受ける。政治の世界で常に使われる手法だ」
マイケル・ヘインズさん
「南スーダンでは停戦合意は完全に破られている。なぜ、そうまでして自衛隊を派遣したいのか、大きな疑問だ。300人前後の自衛隊を20人の邦人を守るために派遣するなら、むしろその20人を避難させる方がよい」
マイケル・ヘインズさん
「アメリカは武力介入の悪い前例をたくさん持っている。約240年の歴史の中で、223年間、戦争に関わってきた。つまり、米国の歴史の93%は戦争していることになる」
ロバート・ファニングさん
「南スーダンは内戦状況だ。イラクやアフガニスタン、シリアでもそうだが、一つの派が分裂することもあり、誰が敵か、誰と戦っているのかわからなくなる。自衛隊が現在、南スーダンにいること自体がPKO5原則の一部を完全に裏切っている」
ロバート・ファニングさん
「憲法9条は本当に素晴らしいものだ。大事な憲法を破り、米国のように侵攻を進めると、5、10、20カ国と敵が増えていく可能性がある。米国は国家予算の多くが戦争に費やしている。そのため、教育やインフラ、気候変動対策に予算が回らない。米国は悪い例だ。同じ道をたどらず、憲法9条をしっかり守ってほしい」
マイケル・ヘインズさん
「ROE(交戦規定)はガイドラインに過ぎず、実際の戦闘では破られる。戦闘はものすごいハイテンションの中で行われ、起こることすべてが恐怖だ。ある時、チェックポイントを目がけて、急患を抱えた医者が車両で突進してきたのを、直前まで戦闘していた上官が攻撃命令を下した。きちんと敵を見極めるのは不可能だ」
マイケル・ヘインズさん
「どうすれば南スーダンの紛争を止められるか。武力に武力ではダメで、別のやり方を模索すべきだ。まず、武器輸出禁止という手を打つべきだ。平和的な解決方法でアプローチすべきだ」
ロバート・ファニングさん
「米国は非常に軍事化した国だ。スポーツイベントや空港を訪れると分かる。必ず米兵が背中を叩かれ、栄誉を讃えられる。退役軍人による反戦運動は受け入れられない。米国の反戦運動には波がある。オバマ政権の誕生で下火に持っていかれた。多くの国に武力行使し、ドローン攻撃をしたのに。また反戦運動は高まるだろう」
マイケル・ヘインズさん
「済州島や沖縄、ノースダコタ(パイプライン建設反対運動が起きている)やパレスチナを訪れて、非暴力で活動しているが、『米国的じゃない』『急進的』とレッテルを貼られる。それは国自体に問題があるということだ。ここまで勇気を持って人前で語るのは大変なこと。ここまで来るのに2人とも10年かかった。トランプ大統領の登場によって、我々の大きなチャレンジが始まる。平和が今まで以上にもっと尊いものになる」
ロバート・ファニングさん
「米軍の戦争犯罪が国際刑事裁判所で裁かれることについては、もちろんやるべきだ。私たちの国のリーダーが裁かれるべきだ。今までこうした裁判では、命令系統の下の人たちが法廷に立つことが多かったが、戦争そのものが犯罪だ。我々を戦争に持っていった上の方の人たちこそ裁かれるべきだ」