沖縄初開催!ヤン・バニング写真展:Comfort Women―インドネシアの日本軍「慰安婦」(11/7から) |
東京の杉原浩司です。[転送・転載歓迎]
10月10日から25日まで東京で行われたヤン・バニングさんの写真展が、今度は沖縄で開催されます。ぜひ広めてください。
沖縄初開催! ヤン・バニング写真展(11/7から)
http://wam-peace.org/20151030-2/
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<沖縄初開催!ヤン・バニング写真展>
Comfort Women―インドネシアの日本軍「慰安婦」―
インドネシアで旧日本軍の「慰安婦」にされた女性たちの眼差しを捉えた写真が来沖します!
2015年11月7日(土)~11月23日(月)
9:00~17:00開館(最終日は15:00まで)
場所:沖縄県平和祈念資料館・2階 海と礎の回廊/入場:無料(糸満市字摩文仁614番地の1)
オランダの写真家ヤン・バニングさんの作品です。2010年に発表されて以来、本国オランダのみならず、インドネシア、米国、ドイツ、フランスで写真展が開催されてきました。大きな評価を得た一連の作品は、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)でもコレクションとして所蔵されています。
戦時中の沖縄には、延べ140か所を超える軍慰安所があったことが調査で明らかになっています。日本兵の強かん防止や性病予防などを目的に、旧日本軍が制度として作っていったものです。「慰安婦」の多くは朝鮮半島から連れてこられました。また、那覇・辻の遊郭にいた沖縄の女性たちも強制的に「慰安婦」にされました。慰安所の中は、まさに“戦場”でした。旧日本軍の資料(石部隊陣中日誌など)には、慰安所は日本兵が酒に酔って暴行を働くなど悲惨な状態だったことも記録されています。朝鮮半島から沖縄・渡嘉敷島に連れてこられ、日本軍「慰安婦」にされたぺ・ポンギさんという人がいます。彼女は戦後も沖縄に取り残され、故郷に一度も帰ることなく、沖縄で亡くなりました。戦後はずっと、激しい頭痛などのいわゆるPTSDに苦しんで過ごしました。ぺさんの証言は、その人生が旧日本軍によって根底から破壊されたことを伝えています(川田文子著「赤瓦の家」に詳しい)。軍慰安所が140か所もあった沖縄は、彼女たち日本軍「慰安婦」の悲痛が、うめきが、至るところに刻まれた場所でもあるのです。日本政府は、彼女たちの尊厳を回復するための取り組みを全くといっていいほど行ってきませんでした。ぺさんだけではありません。どれほど多くの女性たちが命を傷つけられたまま、悲しみの淵で、苦悩のうちに亡くなっていったことでしょうか。
写真家のヤン・バニングさんは、ジャーナリストのヒルデ・ヤンセンさんととともにインドネシアを調査してまわりました。そして元「慰安婦」の生存者およそ50人を訪ね、肖像写真として記録したのです。それら18点が、今回沖縄にやって来ます。見る者の心を鋭く射るような、印象的な写真群です。インドネシアの犠牲者の肖像ですが、これらは、沖縄の慰安所ともつながっているのです。
いま沖縄で、これら旧日本軍の加害の記録と向き合うことは大きな意味があると思います。是非とも写真展にいらっしゃってください。
◎ヤン・バニング/Jan Banning
アーテイスト/写真家。蘭領東インド(現インドネシア)出身の両親のもとに生まれたこと、大学で歴史を専攻したことがテーマやその手法に影響を与える。祖父と父が日本軍による強制労働の被害者で、父を含めたオランダ人とインドネシア人の強制労働被害者をとらえた「Traces of War」シリーズ、アフリカ・マラウイの最も貧しい人々、あるいは官僚主義や刑事司法など、権力や戦争の陰で見えなくされてきたものを問う作品を発表してきた。国際的に大きな評価を得ており、雑誌での掲載や受賞も多数、国内外の美術館で作品が所蔵されている。1954年生まれ、オランダ在住。
■オープニング・シンポジウム
11月8日(日)14-17時
場所:県平和祈念資料館・大会議室 参加費:500円
トーク:川田文子さん(ノンフィクション作家)・金平茂紀さん(TVジャーナリスト)
進行:山城紀子さん(フリーライター/元沖縄タイムス論説委員)
パネリスト
○川田文子さん:ノンフィクション作家
日本の戦争責任資料センター共同代表。在日の慰安婦裁判を支える会所属。「慰安婦」問題がライフワークで、90年代に、インドネシアで日本軍の「慰安婦」にされた女性たちを取材し、著書『インドネシアの「慰安婦」』(1997年・明石書店)にまとめている。そのほか、渡嘉敷島の慰安所に連行されたペ・ポンギさんの人生を記録した『赤瓦の家――朝鮮から来た従軍慰安婦』(筑摩書房・1987年)をはじめ、『皇軍慰安所の女たち』(筑摩書房・1993年)、(『イアンフとよばれた戦場の少女』(高文研・2006年)、『「慰安婦」問題が問うてきたこと』(岩波ブックレット・2010年 大森典子と共著)などの著作がある。近著に『ハルモニの唄――在日女性の戦中・戦後』(岩波書店・2014年)
○金平茂紀さん:TVジャーナリスト
TV記者、キャスター。在京テレビ局に1977年より勤務している。モスクワ、ワシントン、ニューヨークなど海外記者経験をもつ。「筑紫哲也NEWS23」の編集長などを歴任。沖縄での取材も1987年来、継続的に行っている。著書に『沖縄ワジワジー通信』など。ことし4月、元「慰安婦」の生存者をインドネシアで取材した。
○山城紀子さん:フリーライター/元沖縄タイムス論説委員
元沖縄タイムス記者、論説委員。2004年退職。フリーライターとして月刊誌「世界」で連載。共著に「沖縄―社会を拓いた女たち」(沖縄タイムス社刊)など。
呼びかけ人(10月13日15時現在 さらに増えつつあります)※50音順
安里英子(NPO法人「沖縄恨之碑の会」代表)、石川真生(写真家)、糸数未希、上里清美(「日本軍「慰安婦」問題を考える宮古の会」代表)、大城美代子(「沖縄YWCA」会長)、金平茂紀(TVジャーナリスト)、川田文子(ノンフィクション作家)、金城まり子(フリーアナウンサー)、成定洋子(沖縄大学准教授)、玉城福子(沖縄国際大学非常勤講師)、霜鳥美也子、平良悦美、平良修(牧師)、高里鈴代(「強姦救援センター・沖縄」代表/「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表など)、原義和(TVディレクター)、ヒルデ・ヤンセン(ジャーナリスト/オランダ)、宮城晴美(沖縄女性史家)、山城紀子(フリーライター/元沖縄タイムス論説委員)、与儀武秀(沖縄タイムス記者)、湧田ちひろ(沖縄タイムス記者)
主催・問い合わせ: ヤン・バニング写真展沖縄 実行委員会
連絡先:090-4770-1009(与儀)