【報告】いのちを預ける場としての保育園の拡充を!~「中野区の待機児童を減らす会」が区に要請行動 |



2月25日(水)午後、「中野区の待機児童を減らす会」( http://ameblo.jp/shimamo-a/ )が「保育園を増やして!私達の声を届けよう!」と中野区への要請行動を行いました。中野区役所には、お母さんを中心に16人ほど、小さな子どもも7人ほどが集合。テレビや新聞など報道関係者も多く、熱心に取材されていました。
中野区側は子ども教育部の古川康司副参事、濱口求副参事ら3人が対応。まずは、集まった「中野区の待機児童解消を求める署名」計1,552筆と会からの要望書(注)が手渡されました。その後、担当者との質疑が行われました。参加者からは次々と切実な思いが述べられました。印象的だった部分をご紹介します。
ちなみに、中野区では2015年認可保育園への入園希望者は1,842人(昨年比210人増)、そのうち、一次選考での入園承諾(家庭的保育や小規模保育を含む)が1,096人(約59.5%)、入園不承諾が746人(約40.5%)となっています。
(参加者)
二次募集に申し込んでいるが、施設が確認できない。区に「設計図を見せて」と言っても、「持っていない。業者に直接連絡してほしい」と言われた。保護者として不安だ。いのちを預けるところなのに、なぜ間取りすらわからないのか。区が管理していないのはどういうことか?
(中野区)
実際の整備の中身は事業者に問い合わせを。申し訳ないがなんとか急ぎたいのでご容赦を。
(参加者)
区で管轄すべきではないか。間取り図などをホームページに載せてほしい。あなた方のお子さんを見たことのない施設に預けられますか?
(参加者)
小規模保育の見学に行ったが、保育士さん自身が「ここは環境が悪い。うるさくて窓も開けられず、冬はみんなが感染症にかかってしまった」と話されていた。いのちを預けるところなので、保育士さんや園児の健康が大切。質の向上をお願いしたい。また、「近隣から苦情があり窓を開けられない」との声も聞いた。区としてコミュニケーションをとってほしい。
(中野区)
わかりました。事業者にお任せではなく、区としても確認していく。
(参加者)
当初の目標にありながら開けなかった認可保育園4、5ヶ所の現状はどうなっているのか?どうして止まっているのか?
(中野区)
かなり事業者の参入があったが、オーナーとの調整に時間がかかるなどで遅れている。
(参加者)
小規模保育は狭く、3歳以降は広いところへ行かせたい。
(参加者)
4~5歳は庭で遊びたいのに、今度移るところは園庭がない。親として預けたいと思わないのが普通。今までと同様の生活が送れるようにしてほしい。押し込まれるような感じがした。また「あまりにも中野区の状況がひどいので、あえて認可保育園に申し込みたくない、これ以上神経をすり減らしたくない」という親もいた。「中野区はやる気がないんじゃないか」との声も聞いた。そう思われていることは知っておいてほしい。
この後、4人の保護者が、子どもが認可保育園に入園不承諾となったことに対して、中野区への異議申し立て手続きを行いました。会の方に聞いたところ、この異議申し立てに対して、中野区は5月か6月になってようやく長々と理由を書いた文書が届くそうです。30人の保護者が申し立てた杉並区では3月頃に文書が届くのに比べて、かなり遅い対応とのことでした。
最後に、区議会の各会派・議員の控室を訪ねて、要請を行いました。参加された保護者の一人は、「議員に子育て中の人がほとんどいない。知り合いからは『お母さんから議員を出すしかないよ』とも言われる」と話されていました。この行動を呼びかけられた会の方も、「数を増やせばいい、では困る。質もきちんとさせるために、当事者が声を出していかないと」と強調されていました。
参加してみて、当事者の抱える切実さと区の「努力」に大きな温度差があることがはっきり分かりました。それをどう埋めていけるのか、緊急かつ重大な課題です。
注)要望書はこちらに掲載
http://kosugihara.exblog.jp/20931827/
※写真は、署名などの提出、区の担当者とのやり取り、異議申し立て。