中野区議会による道理なき報酬引き上げ強行に抗議します! |

午後に区議会事務局に電話して尋ねたところ、17時頃に採決されるとわかり、慌てて傍聴に出かけました。この日は本会議一般質問の2日目。私は無所属議員の質問の途中から入場しました。傍聴者は16人ほど。質疑が終わると、すぐに議案の議論に移りました。そして、11号(議員)、12号(区長)、15号(教育長)の報酬引き上げ条例「改正」案について、まず内川和久総務委員長が委員会の質疑内容を報告。「議員報酬は23区中最下位、区長報酬は実質18位である」「区長については区政運営の成果が見えていることを評価」などの意見が出された後、「民間では実質賃金が下がり、区民は格差拡大や増税で生活に回せるお金が減っている」との反対討論がなされたとのこと。その後、3つの議案とも賛成多数で可決されたと報告。
この後、本会議では質疑もなく、討論もなし。とっとと採決に移り、各議案を次々に起立採決。傍聴者の「心の叫び」も空しく、あっという間に報酬引き上げが決定されてしまいました。傍聴席から議員を見下ろしてはいても、やはり誰が起立したかは正確にはわかりません。右側の自民・公明が立ったことはわかりましたが、左側にまで目配り出来ませんでした。それにしても、傍聴者が見ている前で堂々と反対討論ぐらいはやるべきだったと思います。
帰宅してすぐに、区議会事務局に各議員の賛否を尋ねました。予想通り、「採決は多い少ないを見ており、個別の賛否は把握していない。会派ごとの賛否は区議会だよりには載せるがまだ先になる」との返事。「区民として議員の議案への賛否を知る権利があります。きちんと調べて知らせるべき」と注文しておきました。これは議員に対しても強く言いたいです。
続いて、区役所経由で区議会各会派の議員団控室につないでもらい、賛否について情報収集しました。とは言っても、複数議員のいる会派までで、無所属議員の賛否までは確認しきれていません(すみません)。それによると、民主党は議員・区長・教育長すべての引き上げに賛成。電話に出た区議さんに理由を聞いても、「今、幹事長が不在なので」との不可解な返事。そして、「改新中野」(旧みんなの党、ただし今は一人は「維新の党」でもう一人は無所属)は3案に反対。理由を聞くと、「公務員格差の是正が政策の主軸。会派としては議員報酬の3割カットを主張している」と。さらに、日本共産党は議員の引き上げには反対したが、区長・教育長の引き上げには賛成したそうです。「引き上げを答申した報酬審議会を基本的に尊重するが、議員は自分たちの話なので区民目線に立つと賛成しにくい」
とのことでした。
この間、陳情や区長への要望を行い、街宣でも報酬引き上げ反対を中心に訴えてきました。昨日22日(日)夕方に中野駅北口で行った際には、報酬引き上げの事実を初めて知って憤った方から「どうすれば止められるのか?」との質問が。「とにかく一人ひとりの区民が、区議会や地元の議員に電話などで引き上げ反対を伝えることです」と答えると、「そのことをもっと訴えてほしい」と言われました。また、別の方は、「区長2039万円、区議985万円」の現在の報酬の高さに驚き、「数字をもっと大きく書いて! みんなブチ切れるから」と強調されていました。こうした感覚こそが当たり前だと思います。
ただでさえ中野区は、全国で最後まで、政務活動費の1万円未満の領収書を不要としてきたワースト自治体です。今回の安易な報酬引き上げは、区民からの信頼をますます失うことにしかつながらないのではないでしょうか。区民と苦楽をともにする区政を作るために、市井の常識を議会に持ち込んでいくことが必要だと改めて感じました。
※写真は傍聴席に向かう階段を上がったところのドアの貼り紙。